失われたエンキの記憶:第12粘土板要約
(第12粘土板 本文)
土壌は乾き、草原と渓谷は落着きを取戻した。有余るほどの黄金が大洋を越えた大陸から産出される。アヌと彼の配偶者アントゥが忘れ難い訪問の為に到着する。
回想すれば、この時指導者達は自身が神の手足である事をはっきりと自覚しただろう、彼等は人類を三つの文明圏に分割した。
アヌの出立によって特赦され、マルドゥクは不従順のままである。
第一の地域と宇宙施設はエンリルの土地である。人間の最初の文明化は第一地域(シュメール)で始る。
マルドゥクは違法な発射塔を建設する為に用地を侵害する。エンリルの一族に挫かれ、マルドゥクは第二地域を奪う。彼はニンギシュジッタ(トト)を罷免し、遠い地に追放する。彼は自身を新しい宗教に於ける最高神ラーとして宣言する。彼は新しい文明化を特徴付ける為に専制的な統治を齎した。
エンリルは金属の鉱床を守る為に彼の息子イシュクルを選任した。
イナンナは第三地域において統治権を授けられた。
地球にもう一度来ること事をアヌは決意し、彼の配偶者アントゥを伴う事を望んだ。彼の来訪を待つ間、アヌンナキはエディンの住居を再建し始めた。シェム(セム)の子孫が住む山間の大地から、古き大地に黒髪の人々が移民して来た。新しい渇いた土壌にアヌンナキは彼等を落ち着かせ、全ての者達に食料を供給した。大洪水以前からあったエンキの最初の都市エリドゥは、多数の泥と沈殿物の頂上に新しいエリドゥが設計された。其の中央の、盛上げた台地の上に、エンキとニンキの住居が建てられ、主の勝利の帰還(凱旋)の館と呼ばれ、エンキの息子によって供給された、金と銀と貴重な金属で装飾されていた。上空では、黄道上に道を示しながら、十二の星座がそれらの宮に依って定められていた。地上では、アブズで、泳ぎ回る魚と共に溢れていた。招かれない者が入る事が出来ない聖域の中に、エンキはMEの処方を保管した。エンリルとニンリルの為に、新しいニブル‐キが泥と沈殿物の頂上に建設され、人々の住居と羊舎と牛舎(露店)の真中に、聖域が隔てられていた。エンリルとニンリルの住居が其の中に建てられた、それは七階建てで、天界へと続くような階段が、台座の最上段まで続いていた。彼の運命の命盤(管理制御回路)をエンリルは其処に保管し、武器によって防御した。領土を精査する見上げる目(監視装置)、全てを貫通する構えられた光線(攻撃装置)、そしてエンリルの高速飛空艇が保管されていた。
アヌとアントゥの到着の時が近付き、エディンでの彼等の滞在の為に、エンリルの近くでなく、エンキの近くでもない、新しい場 所が選ばれた。ウヌグ‐キ、歓喜の地、と名付けられた。其の中に日蔭樹(日除け用の樹)が植えられた。純白の建物、アヌの館が建てられ、其の外観は七層に建てられていた。その内装は王の住居の様であった。アヌの宇宙船(惑星間航行船)が地球に到着した時、アヌンナキの飛空船が其の宇宙船に
向って飛立った、ティルムンの宇宙船基地に安全に着陸するように誘導した。基地の司令官ウトゥは、彼の曽祖父母を惑星地球に歓迎した。アヌの三人の子供達、エンリルとエンキとニンフルサグは、彼等に挨拶する為に其処に立っていた。彼等は抱き合い接吻し、笑ってそして泣いた。長い、余りにも長い別離であった!。彼等は互いに言葉に詰まった。お互いを見て、年齢を吟味した。年齢以上に偉大だったけれども、両親は子供達より若く見えた!。二人の息子達は老けて見え、髭が生えていた。かつ美しかったニンフルサグは腰が曲り皺が寄っていた。
彼等五人とも涙に暮れ、歓びの涙は悲しみの涙と混ざり合った。飛空挺で賓客達と主人達がエディンに向った、ウヌグ‐キの側の用意された場所に飛空挺は着陸した。地球に滞在する全てのアヌンナキが名誉ある近衛兵として立礼していた。万歳(そして)ようこそ!、万歳(そして)ようこそ!、一斉にアヌとアントゥに彼等は叫んだ。それから行進、独唱と合奏、アヌンナキはアヌの館へアヌを招待した。アヌの館で、アヌは沐浴をして休息し、それから香を焚き込めて正装した。アントゥは女性のアヌンナキによって黄金の床の館に付添われて行った。其処で彼女もまた沐浴して休息し、それから彼女は香を焚き込めて正装した。
吹き抜けの中庭で、穏かな夕風が樹の葉を鳴らしていた時、アヌとアントゥは玉座に座っていた。エンリルとエンキとニンフルサグは彼等の傍らに居た。参列者、全く在りのままの地球人、ぶどう酒と良い油が供された。他には、中庭の角では、エンリルとエンキからの贈り物、牛と子羊が火に焼かれていた。豪華な食事がアヌとアントゥの為に用意され、天界での合図の為に其の開始を待っていた。
エンリルの指導で、恒星と惑星の問題を学んだ、ザ(ズ)ムルが夕刻に惑星の上昇を告げる為に、アヌの館の階段を登って行った。最初の段で東の空に木星が現れ、第二の段で金星が見えた、第三の段で彗星が知らされ、第4の段までに土星が上昇した、第五の段で火星が見え、月の出が第六の段で知らされた。其れからザムルからの合図で、聖歌「天空のアヌの惑星の上昇」が唄われ始めた。第七段、最上段から、赤い後光に囲まれたニビルが視界に入ってきた音楽に、アヌンナキは手を打って躍り、躍り歌った。明るさを増した星(ニビル)に、主アヌの天界の星を彼等は唄った。合図によって大篝火が灯され、大篝火の点火が次から次へと見られた。夜が更ける前にエディンの全土に篝火が灯された!。
牛肉と羊肉、魚と禽の食事が、葡萄酒と麦酒と共に饗された後、アヌとアントゥは彼等の寝所に伴われた。アヌとアントゥは全てのアヌンナキに感謝した。数地球日の間アヌとアントゥは眠った、六日目にアヌは彼の二人の息子を呼出した。(注:初老の一日の睡眠時間を6時間とすれば、24時間×6日/6=24倍。つまり、ニビルの一日は地球の24倍と推測される。)
地球上で起った事の彼等の報告を彼は聞き、平和と戦争を学んだ「どの様に地球人がエンリルの宣誓によって滅亡され、再び急増したかをアヌは聞いた。大海を越えた大陸での黄金の発見と、其処での(惑星間航行用)宇宙船の配備を、エンリルは彼に明かにした。夢とガルズからの命盤の事をエンキは父に話した。」。其の事にアヌは非常に当惑した、其の名による秘密の使いを、私は決して地球に送っていない、其の様にアヌは三人の指導者達に言った(注:おそらくい、ニビル星人の祖父であるプレアデスからの使いだったのでしょう。)。エンキとエンリルは困惑し、互いに顔を見合わせて驚き慌てた。ガルズの話によってジウスドラと生命の種は保護されたのです、エンキは言った。ガルズの話によって我々は地球に残ったのです、エンリルは父に言った。今日、貴方方がニビルに戻れば貴方方は死ぬでしょう、そうガルズは私達に言ったのです。
アヌは非常に怪しんだ、周期の変化は実際大混乱を齎すが、万能薬に依って癒されるからだ。貴方の使いでなければ、ガルズは誰の使いなのでしょうか?、エンキとエンリルは同時に言った。誰が地球人を保護する事を望み、誰が地球に我々を留まらせたのでしょうか?、ニンフルサグは頭をゆっくりと頷かせ話した「全ての創造者の為にガルズは現れたのです!、地球人の創造もまた定められていたのでしょうか、私は不思議で為りません!」。暫くの間、他の四人は沈黙し、各々が過去の出来事を心の中で反芻した。運命を我々が定めている間、宿命の手が段階毎に指図していた!、そうアヌは言った。「全ての創造者の意志は理解するに明白である。我々は地球でそして地球人に対して唯一の使者なのだ。地球は地球人に属しており、彼等を保護し、そして進歩させる事を我々は計画する、其れが私達のここでの使命なら、其れに応じて行動しましょう」、其の様にエンキは言った。
運命を定める偉大なアヌンナキは大陸に関して取捨選択を相談した「文明化された地域を創り出す事を偉大なアヌンナキは決定した、其処で地球人に知識を授ける。人間の都市を、其の中の聖なる領域にアヌンナキの住居を建設する様に、創設する。ニビルでの様に、地球でも王権を確立し、王冠と笏を選ばれた人間に授ける。彼(王)によってアヌンナキの言葉が人々に、実施する仕事と手際良さを伝えられる聖なる領域の中で、いと高き主としてのアヌンナキに仕え拝する為の司祭職を定着させる。教授された秘密の知識、文明を人間に伝える。四つの領域、人間の為に三領域を、一禁制領域を、創造する事をアヌンナキは決めた。」。
第一領域は古きエディンの地に定着する為に、エンリルと彼の息子達が支配する。
第二領域は二つの海峡の地にその後護る為に、エンキと彼の息子が支配する。
第三領域は他の二つと接触せずに、遠い大地にイナンナの為に与えられる。
第四領域は唯一アヌンナキの為の神聖、宇宙船(惑星間航行用)基地の半島に。
■アヌンナキの神殿
さて此れは大海を越えた大陸へのアヌの旅と、そしてどの様に第一領域でアヌンナキの為に都市が再建されたのかの記録である。
四つの領域と人間の文明化に付いて、アヌは彼の孫息子マルドゥクに付いて尋ねた。私は彼に叉合わなければならない、指導者達にアヌは言った。ドゥムジもニンギシュジッタもニビルに招かれており、マルドゥクの怒りは私自身が原因と為っているに違いない、其の様にアヌは訝った、マルドゥクの処罰を再度審議したい。
大海を越えた大陸に貴方が旅をなさる時、マルドゥクは貴方に会いに来るでしょう。彼が放浪した大陸は地球のその辺りです、そうエンリルはアヌにいった。彼方の大陸へ王家のご夫妻が向う前に、その大陸を調べていた。まずはエリドゥとニブル‐キを彼等は訪問し、第一領域の都市を計画している場所を見た。エリドゥでエンリルはエンキに付いて不平を訴えた「MEの定式(秘訣)をエンキは秘密にし ている」。アヌは名誉ある席に座って、エンキに賞賛の言葉を言った「私の息子は彼自身の為に格調高い館を建て、その建物は台座の上に優雅に立っている。館を取り巻き、拝する人々に、大いなる知識を与えるだろう。今、MEの中に秘されている情報は、他のアヌンナキと共有しなければ為らない」。エンキはまごつき、全ての神聖な定式を共有する事をアヌに約束した。
続く日々、飛空挺で旅しながら、アヌとアントゥは他の領域を調査した。それから、十七日目に、ウヌグ‐キに王ご夫妻はもう一夜の休息の為に戻って来た。
翌日、アヌンナキの若者達がアヌとアントゥの前に祝福の為に来た時、アヌは彼の曾孫のイナンナに好感を抱いた、彼は近くに呼び寄せ、抱き、接吻した。わたしの言葉を心に留めなさいと集った者達に彼は告げた「この場所を、私が去った後、イナンナに贈り物として与えよう、我々が地球を調査する時に使った飛空挺を、イナンナへの私の贈り物としよう。」。喜んで、イナンナは躍り、唄い始めた、彼女のアヌへの賞賛は聖歌として後に唄われる様に為る。
その後、アヌンナキに別れの挨拶をして大海を越えた大陸にアヌとアントゥは出発した。エンリルとエンキ、ニヌルタとイシュクルは彼等と共に黄金の国へ行った。王アヌに際立った黄金の豊富さを印象付ける為に、ニヌルタはアヌとアントゥの為に住居を建てた。其の石材は、完璧に切断され、混じり気の無い黄金で内部が覆われていた。香玉髄席の花が彫られた黄金の囲いが、王ご夫妻を待っていた。崇高な山の湖の岸辺にその住居は建っていた。金の塊の収集方法を訪問者は示された。ここには多くのニビル年の間届けるのに十分な黄金が在る、アヌは満足していった。近くに在る、技巧的な小高い丘をニヌルタはアヌとアントゥに案内し、金属の溶解と精錬の方法をニヌルタは説明した。原石から新しい(未知の)金属を抽出する方法を彼は彼等に示した、アナク、アヌンナキ製と彼は呼んだ。それに豊富な銅を化合する事によって強度のある金属を発明した方法を彼は示した。広大な湖を、アヌとアントゥは帆走した。
そのとき大陸の北から、立派な角の獣が狩られていた、マルドゥクがかれの父エンキと祖父アヌの前に遣って来た、彼の息子ナブが彼と共にいた。エンキがサルパニトに付いて尋ねると、マルドゥクは哀しみに込めて彼女の死を語った。
今ナブ一人が私の下に残されました、父と祖父にマルドゥクは言った。アヌはマルドゥクを胸に緊と抱締めた「貴方は充分に罰を受けた!」と、彼に言った。右手をマルドゥクの頭に置いて、アヌはマルドゥクを赦す為に祝福した。
山々の高みの黄金の地から、集まった全員が下方の草原に行った。地平線まで広がるその場所に、ニヌルタは宇宙船の為の新しい基地を用意していた。アヌとアントゥの天空船(惑星航行用宇宙船)が用意さて其処に立っていた、黄金の付いた縁に牽引されていた。出発の時が来た時、アヌは彼の子供達に別れの言葉と指示を伝えた「地球と地球人の為に予定された運命は何でも、その様に為さしめよ!。もしアヌンナキではなく、人間が、地球を受継ぐ事が宿命なら、宿命を援助せよ!。人間に知識を与えなさい、技量に合わせて天界と地球の秘密を彼等に教えなさい。正義と公正さ(道義に適った行為と正義)の法を彼等に教えなさい。」。其れから出発し、去った!
その様にアヌは彼の子供達に父親らしい教訓を与えた。もう一度彼等は抱き合い、抱擁し接吻し、そして其れから新宇宙基地からアヌとアントゥはニビルに旅立った。最初に名残を惜しむ沈黙を破ったのはマルドゥクだった「怒りのこもった彼の言葉は、この新しい天空船(惑星航行用宇宙船)の基地は何です?。他の人々に説明を要求した。私の追放の後、私の認識無しに何が起ったのですか?」。エンキが四つの領域に関する決定の事をマルドゥクに話した時、マルドゥクは激怒に我を失った「何故ドゥムジの死の原因であるイナンナが、彼女自身の領域を与えられるのか?」。決定は下されたのだ、変える事は出来ない、そうエンリルはマルドゥクに言った。別々の飛空挺でエディンにその隣接地に向って彼等は戻った。
不穏な動きを感じ、エンリルはイシュクルに、黄金を警護する為に、後に残る様に指示した。アヌの訪問を記念する為に、時の経過の新しい換算が紹介された。地球年によって、二ビル年ではなく、地球で起った事が考慮された。牡牛座の時代に、エンリルに捧げる為に、地球年の計算が始められた。エディンに指導者達が戻った時、第一文明化地域の地で、泥から煉瓦を造る方法をアヌンナキは地球人達に教えた、其れで都市を造る為に。然し、嘗て唯アヌンナキの都市のみが立っていた場所に、彼等と地球人両方の為の都市が今建っている。その中とアヌンナキの新しい都市の中に聖なる領域が奉献された。その中でいと高き神としてアヌンナキは拝された。
数の順位によって彼等は名誉を与えられ、人間に継承権を知らしめた。天界のアヌは60の位階を保持し、エンリルに50の位階が与えられた。彼の継承者であるニヌルタにエンリルは同じ位階を授けた。後継者の次は主エンキであり、40の位階を保持した。エンリルとニンリルの息子ナンナルに30の位階が割当てられた。彼の息子と後継者、ウトゥに20の位階が割当てられた。数の位階として10が他のアヌンナキの指導者の息子達に授けられた。中間の五による位階が女性のアヌンナキと配偶者に共有された。
エリドゥとニブル‐キとそれらの都市の神殿住居が完成された時、ラガシュにニヌルタの為にギルスの領域が建設され、かれの黒い飛空挺が其処に保管さ
れた。エニンヌ、50の館と、ニヌルタと配偶者バウの為の神殿住居は呼ばれた。優れた狩猟家で優れた殺害者、アヌの贈り物の武器がエニンヌを護った。
大洪水の前にシッパールが在った所に、泥の土壌の頂上に、ウトゥは新しいシッパールを 建設した。そのエバブバルに、輝ける館、ウトゥと配偶者アヤの為の住居が建てられた。其処からウトゥは人類の為の正義の法を公布した。
裂ける泥の為に古い計画が続けられなかったので、あたらしい敷地が選ばれた。アダブ、シュルバクから遠くない敷地に、ニンフルサグの為に新しい中心として造られた。救助と癒しの知識の館と、その時点で彼女の神殿住居は名付けられた。地球人が形創られた方法のME(情報記録回路)をニンフルサグはその聖なる神殿の中に保管した。
ナンナルの為に直線道路、運河と埠頭のある都市が供給された、ウリムがその名前である。玉座(座天使)の核の館とその神殿住居は呼ばれ、月の光線を大地に反射していた。
イシュクルは北の山国へ戻った、七つの嵐の館とかれの住居は呼ばれた。
イナンナはウヌグ‐キに住んだ、アヌに依って彼女に遺贈された住居に彼女は住んだ。
マルドゥクはエリドゥに住んだ、エディンに彼等自身の住居を持っていなかった。
■王権と神官、バベルの塔
さて此れは人間の最初の都市と地球での王権に付いてと、どの様にマルドゥクが塔を建てる事を計画したか、そして何故イナンナがME(情報記録回路)を盗んだかの記録である。
第一地域で、エディンの大地で、聖域の在る都市で、彼等のアヌンナキの主達に依って地球人達は細工物と手工芸を教えられた。
原野が灌漑されて間もなく、運河と川に船が帆走した。羊舎と穀物倉は溢れ、大地は繁栄に満ちた。キ‐エンギ、いと高き観察者の国と、第一地域は呼ばれた。
それから黒髪の人々に彼等自身の都市を持たせる事が決定された。キシ、笏(王位を授ける)の都市と呼ばれた、キシで人間の王朝が始った。其処の、清められた土壌に、アヌとエンリルが天界の輝ける物体を埋め込んだ。その中でニヌルタが最初の王を指名した、力強い人が王家の名称である。文明化された人間の為の中心地を造る為に、ニヌルタはエリドゥに旅をした、王権に神聖な信条を維持させる為の、MEをエンキから得る為に正装して、敬意を表してニヌルタはエリドゥに入り、王権のMEに付いて尋ねた。全てのMEの保護者たる、主エンキは50のMEをニヌルタに授けた。
キシで黒髪の人々は数に関して計算する事を教えられた。天のニサダは彼等に書くことを教えた、天のニンカシはビールの造り方を示した。キシで、ニヌルタの指導で、炉の仕事と鍛造が急速に増加した。荷車がキシで最初に造られた。正義と道義的に正しい行動に関する法がキシで公布された。ニヌルタに対する賞賛の聖歌を人々が創ったのはキシにおいてである。彼の英雄的行為と勝利を彼等は唄った、彼の畏怖を与える黒い鳥(飛空挺)を賛美した。遥かな大陸で野牛をどの様に鎮圧したか、どの様に白い金属を銅と化合する事を発見したか。ニヌルタの栄光の時であった、射手座によって彼は名誉を与えられていた。
ウヌグキのイナンナが第三地域に於ける彼女の統治権を待つ間中、彼女自身の勢力範囲を指導者達に要求する間中、第二地域の後に第三地域になると、彼女の指導者達は彼女に保証した。
ニヌルタがエリドゥまでどの様に旅をし、どの様に王権のMEを得たかを観ながら、イナンナは心の中で計画を練った、エンキからMEを得る為に計略を立てた。彼女の女中をエリドゥに急派して、イナンナの訪問を伝えさせた。これを聞いて、エンキは彼の家令イシムドに、素早く指示を与えた「女性が、たった一人で、私の街エリドゥに直接遣って来る。彼女が唯一人で着いた時、私の内奥の居室に彼女を入れよう、彼女の気分を一新する為に彼女の為に冷たい水を注ぎ、バタ−を添えた菓子を与え、甘い葡萄酒を用意し、ビールを器に淵まで満たしなさい。」。
イナンナが一人でかれの住居に入ってきた時、イシムドはエンキの警備兵達を従わせた。其れからエンキがイナンナに挨拶した時、イナンナの美しさにかれは圧倒された。イナンナは宝石で飾り立て、薄いドレスは彼女の身体を露にしていた。彼女が屈み込んだ時、彼女の秘部はエンキに露に観賞された。葡萄酒のコップから甘い葡萄酒を飲み、ビールの飲む量を競った。私にMEを見せてくださらない、イナンナはエンキに茶目っ気たっぷりに言った、私にMEを持た
せ下さいな!。
競争の行程で七回エンキはイナンナにMEを持たせる為に与えた、統治権と王政、聖職と書記の心得、愛の着付けと交戦に関するMEの神聖な処方がイナンナの手にエンキから渡された。音楽と唱歌、木工と金属と貴重な岩石、王国を文明化する為に必要な94のMEがエンキからイナンナに与えられた。
彼女は獲物をしがっかりと握りながら、イナンナは泥酔したエンキから摺り抜け、小型飛空挺に向って彼女は走り出て、操縦士に飛び去る様に指示した。エンキが泥酔からイシムドに依って起こされた時、イナンナを捕まえろ!と、イシムドに命じた。イシムドからイナンナが既に彼女の小型飛空挺で飛び去った事をエンキが聞いた時、エンキの飛空挺でイナンナを追跡する事をイシムドに指示した。全てのMEを取戻さなければ ならない!、彼は彼に言った。
ウヌグ‐キへの進入路でイシムドはイナンナの小型飛空挺を遮った、エリドゥに戻り、エンキは激怒して彼女に対した。然しイナンナがエリドゥに連れて来られた時、彼女はMEを持って無かった。彼女の女中、ニンシュブルに与え、ニンシュブルはウヌグキのアヌの館にそれらを持って行った。私の権威の名に於いて、我が父アヌの名に於いて、MEを返す事を命ずる!、その様にエンキは激怒してイナンナに言った、彼の住居で彼女を捕虜にした。
この事をエンリルが聞いた時、エリドゥで彼の兄と対面する為に来た。公正に私は獲得し、エンキ自身それらを私の手の中に置いた。そうイナンナはエンリルに言い、其の事実をエンキは辛抱強く認めた。キシの任期が来た時、ウヌグキに王権は移行される、そうエンリルは宣言した。
マルドゥクがこの事全てを聞いた時、非常に彼は怒り、彼の怒りは押さえ様が無かった。屈辱は十分です!、父エンキにマルドゥクは叫んだ。エディンにおける彼自身の聖なる都市をエンリルに彼は直ちに要求した。エンリルはマルドゥクの懇願に何の留意も払わなかった、マルドゥクの運命は彼自身の手に握られていた。
ウヌグキが選択される前に、アヌの到着の場所として考えられた場所に、ナブはイギギとその子孫を彼等の分散した土地から呼出した。マルドゥクの為に其処に聖なる都市を、宇宙船基地を建設する為に。かれの追随者がその場所に集合した時、建設する為の石を彼等は見付けられなかった。マルドゥクは、石の様に使う為に、煉瓦を造り炎で焼く方法を彼等に教えた。其れと共に頂上が天に届きそうな塔を彼等は建てていた。その計画に反対する為にエンリルはその場所に急いだ、マルドゥクを懐柔する事を射るような言葉で試みたが、マルドゥクとナブを阻止する事にエンリルは成功しなかった。マルドゥクは許可されぬ天空への道を建設し、地球人に委ねた!、そうエンリルは彼の息子達と娘達にいった。この事が許されるなら、人類統御する事は出来なくなる!、この悪魔の計画は阻止せねばならない!、ニヌルタは言った。他の者も同意した。
ニブルキからエンリル一族のアヌンナキが遣って来たのは夜であった、彼等の飛空挺からそびえたつ塔が火と硫黄が降り注ぎ、塔とその宿営地全体を彼等は完璧に破壊した。指導者と彼の追随者を四方に四散させ、エンリルはその上で決定を下した「今後彼等の計画を混乱させ、彼等の協調を粉砕する為に、エンリルは命じた。今まで全ての地球人は一つに言語を話していた、単一の国語を話していた。今後彼等の言語は混乱し、彼等は互いの話が理解出来なくなるだろう。地球の計算で三百と十年の内にこれら全ての事が起るだろう」。
其々の地域と大陸毎に人々に異なった言語をかれは話させた、書法の異なった形態がその後其々に与えられた、一つの物を他の者が理解しなかった。(※バベルは「天の門」という意味で、バビルはヘブル語で「混乱する」という意味。つまり、聖書のバビルの塔の物語はバビルをバベルにこじつけた仮想の物語です。この本書の言葉をバラバラにする云々の部分は、シッチン氏により旧約聖書から挿入された部分のではないでしょうか。それに古来から、複数言語を読み書きする人々が居たのだから、この部分は原文に存在するのだろうか?)
23人の王がキシで君臨し、四百と八年の間、其処は王都であった。またキシで、愛でられし王、エタナが天界への旅に連れて行かれた。割当てられた時に、王権をウヌグキに遷させよう、そうエンリルは命じた。その土壌に天界の輝ける物体がキシから遷された。決定が人々に知らされた時、イナンナに賛美の聖歌を彼等は唄った。MEの貴婦人、女王、明るい輝き、正当な、光輝を纏い、天と地に愛された、アヌの愛によって清められ、数多の敬愛を纏い、七度彼女はMEを獲得した、彼女の手にそれらは握られている、王位のティアラを彼等は供し、高位の聖職者に相応しく、大いなるMEの貴婦人、彼女はそれらの守護者である。
地球の計算が始った後四百と九年の内に、第一地域の王権がウヌグキに遷された。その最初の王はエアンナの寺院住居の高位の神官であり、ウトゥの息子であった。マルドゥクはどうかと云えば、二つの峡谷(海峡)の大地へ行った。かつて設立した、第二地域の主人となる為に、期待して。
■追放されたトート
どの様に第二と第三地域が建設され、そしてどの様にニンギシュジッタが追放され、ウヌグキがアラッタを脅かしたかの記録である。
マルドゥクが、長い不在の後に、二つの峡谷の大地に戻った時、その主人としてのニンギシュジッタを其処で見出した、そのいと高き主がニンギシュジッタであった。地球人が配偶者としたアヌンナキの子孫達の助手と共にニンギシュジッタは土地を監督した。
マルドゥクがかつて計画し指示した事がニンギシュジッタによって覆されていた。何が起っているのか?、マルドゥクはニンギシュジッタに情報を要求した。隠された物事の破壊の原因をマルドゥクは追求した、水も無い砂漠の地帯にホロンを行かせた事を。二人の兄弟は大声を出して、辛辣に喧嘩を始めた。
注意しろ、私はここ私に相応しい場所にいる、マルドゥクはニンギシュジッタに言った。貴方は私の場所を取っている、今以降貴方は私自身の代理であるに過ぎない。然し叛乱を起そうと思うなら、貴方は別の国へ出て行かなければならない。350地球年間兄弟達は二つの峡谷(海峡)の国で喧嘩を続けた、350年間国は混沌として、兄弟は分裂した。其れから彼等の父エンキがニンギシュジッタに言った「平和の為に別の地へ去りなさい」。大海を越えた大陸へ行く事をニンギシュジッタは選択し、追随者の一団と共に其処へ彼は行った。
650地球年の時が経った、然しニンギシュジッタが翼の在る蛇と呼んだ新しい領地で、其れ自身の新しい計算(暦)を始めた。二つの峡谷(海峡)におけるマルドゥクの支配の下に第二地域は創設された。第一地域の一年間の記録において、マガン、流れ落ちる滝の国と呼ばれた。然し第二地域の人々に拠って、言語が混乱した時、ヘム‐タ、暗き茶色の国と、その後呼ばれた。次にネテル、守護する看視者と呼ばれた。
マルドゥクはRa(ラー)、輝ける主として拝され、エンキはプター、開発者として崇拝された。ニンギシュジッタ(トト)はテフティ、神聖な計測者と、呼ばれた。彼の記憶を消す為にRaは石の獅子の上に彼の彫像を彼の息子アサルに似せて置換えた。テフティの支配の下に北の古き都市と南の都市が再建されたのに対して、マルドゥク/Raは北と南の二つの都市を一つの王都に統一した。
ネテルと地球人の子孫である王を、其処で指名した、Mena(メナ)が彼の名前である。二つの大地が接し合い、大きな川が分かれる場所に、王都Raを創設した。第一地域のキシを凌駕する壮麗さを与えた、メナ‐ネテル、メナの美と呼ばれた。
上位のRaを崇める為に聖なる都市を建て、ニビルの王アヌを崇める為に名付けた、其処の台座の上に神殿住居を彼の父エンキの為に建設した。その頂きは、高き塔を越えず、形の良い宇宙船の様に空へ向かって聳え立っていた。その聖堂の中にラ−(Ra)は彼の天空船の上方部分を置き、ベンベンと呼んだ。
新年のその日に、王は行為の聖職者として式典を執り行なった。その日唯独り最内奥の星(恒星)の部屋に彼は入って、ベンベンの前に奉納物を置いた。第二地域を利する為に、プターはラーに総ての種類のMEを与えた。貴方が知らない事で私が知っている事は何か?、父は息子に尋ねた。其れから総ての種類の知識、再生の知識を除いて、ラーに与えた。十二宮(天体、星座)の偉大な物として、プターはラーに牡羊座の宮を割当てた。大地の偉大な川、ハピの水流を、プターはラーとかれの国民の為に整えた。肥沃な土壌に因って豊かさが速やかに齎され、人と家畜は増えた。第二地域の成功によって指導者達は勇気付けられ、第三地域の創設を進めた。
イナンナの領土を造る事を、彼女が約束された様に、彼等は命じた。女主人の領土に相応しい様に、天の星座を彼女に割当て、予め彼女の兄弟ウトゥとふたご座の位置を共有し、それからは、ニンフルサグからの贈り物として、彼女の乙女座をイナンナに割当てた。地球の換算で、860年目に、イナンナはその様に礼遇された。
遥か離れた東方の大地に、七つの山脈を越えて、第三地域が在った。ザムシュ、60の貴重な石の国と、其の高地の王国は呼ばれた。アラッタ、森林王国は曲りくねって流れる広大な川の中に位置していた。広大な草原の中で小麦の収穫物を耕作し角の有る家畜を飼った、泥の煉瓦で建てられた二つの都市も叉、穀物倉は溢れていた。
エンリルの命令によって要求された時、主エンキ、智恵の主は、第三地域の為に変化に富む言語を案出した。新しい種類の筆致の記号を彼は形造った、人の言語は以前は未知の物であった、アラッタの為にエンキはかれの智恵を絞った。然し王国の文明化のME(情報記録回路)を第三地域にエンキは与えなかった。イナンナはウヌグ‐キの為に獲得した物を新しい地域と共有すれば良い、その様にエンキは宣言した。
アラッタでイナンナは羊飼いの長を指名した、彼女の最愛のドゥムジに彼は似通っていた。彼女の飛空船でウヌグキからアラッタへ旅をした、山々と渓谷を超えて彼女は飛んだ。ザムジの貴重な石を彼女は大事にした、純粋な青金石(瑠璃−ラピスラズリ)を彼女と共にウヌグキに運んだ。
ウヌグ‐キの王がエンメルカルだった時、彼はその時点で統治権の有る第二の者であった。ウヌグ‐キの境界を広げた彼は、その栄光によってイナンナを喜ばせた。アラッタの富みを羨望した彼は、アラッタの無上の状態を終らせる謀略を立てた。アラッタにエンメルカルはアラッタの富を要求する為に使者を送った、七つの山脈を越え、乾き切った土地を通り、そして天に濡れそぼって、使者はアラッタに行った。アラッタ王にエンメルカル王の要求の言葉を一語一語彼は繰返した。彼の言語をアラッタ王は理解する事が出来なかった、その音は驢馬の嘶きの様であった。伝言が刻まれた木の笏杖を、アラッタ王は使者に与えた「ウヌグ‐キのMEをアラッタと共有する事を王の伝言は要請した。」。
ウヌグ‐キヘ王の贈り物として小麦が驢馬の背で運ばれ、使者と共にウヌグ‐キヘ行った。エンメルカルが刻字された笏杖を受け取った時、ウヌグキでその伝言を理解できる者は一人も居なかった。彼は其れを明るい所から暗い所へ持って行き、暗い所から明るい所へ持って来た、どんな種類の木なのだろうか此れは?、彼は尋ねた。其れから其れを庭園に植える様に彼は命じた。五年後、十年が過ぎた後、笏杖から樹が育った、其れは影の木だった。私は如何したらいいのだろう?、エンメルカルは挫折してかれの祖父ウトゥに尋ねた。
天のニサダ、書記と書法の女王と共に、ウトゥは仲裁した。粘土板に伝言を書く事をニサダはエンメルカルに教えた、アラッタの言葉で「彼の息子バンダの手によって伝言は運ばれた。降伏か戦争か!」と、伝えられた。イナンナによってアラッタは見捨てられなかった、ウヌグ‐キにアラッタは降伏しない!、アラッタ王は言った。交戦をウヌグキが欲するなら、一対一で戦士を戦わせよう、より良いのは平和裏に秘宝を交換しよう、つまりウヌグキが其のMEをアラッタの富の為に与えれば良い。来た道を引き返す途中、平和の伝言を運びながら、バンダは病気になり、彼の魂は彼から去った。フラム山で、アラッタからの帰国途中、彼の死に拠ってバンダは見捨てられた、アラッタの富をウヌグキは受取らなかった、ウヌグ‐キのMEをアラッタは得られなかった。
第三地域で、人間の文明化は完全に開花しなかった。
(第十二粘土板終わり)