日中問題U (謀略・弾圧・侵略の歴史)






世界ウイグル会議が、日本人に突きつけた覚悟
                 2012年08月号 正論より抜粋


◇「東京開催」で日本政府にも圧力

 靖国神社前に現れた100人以上の外国人集団は、「世界ウイグル会議」代表大会の出席メンバー達である。その中にいた総裁のラビア・カーディル女史は、民族帽姿でこう語り始めた。
「この神社に祀られている人達は、国を守るために戦った戦士であり、日本民族の英雄です。祖国のために命を落とした人々に敬意を払うのは、イスラム教徒の私達も変わりはありません。しかし…」そこでラビア氏は一呼吸置いてこう続けた。「私達ウイグル人には、祖国のために殉じた人達を弔う慰霊碑を建立することも禁じられています。しかも、こうしている間にも、多くの同胞が中国政府によって不当に拘束され、生死も分からない状態です。死んでしまっても、私達は何もしてあげることができない。御魂が帰る場所がある日本人は幸せです」
 ここで「世界ウイグル会議」について、簡単に説明しておこう。同会議は中国政府の弾圧に対し、海外に亡命したウイグル人たちの生活を守るのと、祖国ウイグルの民族自決権の確立を目指して活動している国際組織である。各国でバラバラに活動していたウイグル人組織が2004年に再編され、現在のものとなり、傘下には20を超える組織がある。本部はドイツのミュンヘン。在外ウイグル人組織では最大の運動体であるが、これとは別にアメリカのワシントンDCに明確に独立を求める「東トルキスタン亡命政府」がある。彼らと同会議の相違は「ウイグル会議」が「平和的手段によるウイグル人の政治的地位確立を主張」している点。ラビア・カーディル女史はその二代目総裁である。
 この「世界ウイグル会議」の、3年に一度の代表大会が5月14日から17日までの4日間、東京の憲政記念館で開催され、その初日にラビア女史達は靖国神社に参拝したのだ。開会式には、トルコ、ドイツ、イタリア、ロシア、ポーランドの在京大使館の代表も出席。
 ところで中国政府は同会議を「テロ組織と関連があり、中国分裂を狙っている集団」と規定し、アジアで初めての束京大会を阻止しようと様々な圧力を日本政府にかけてきた。例えば程永華駐日大便は、与野党の国会議員百人超に、5月8日付で同会議の開催を容認したことを抗議するだけでなく、ラビア・カーディル総裁との接触を避けるよう要請してきた。その文面はまるで属国に命令するような口調で、自民党の古屋圭司衆議院議員は「脅迫状ともいうべき文章だ」と非難している。
 ウイグルもチベットも、中国のお陰で経済発展を遂げたなどとの前置きがあり、「世界ウイグル会議は徹頭徹尾、中国の分裂を企む反中国組織である。(略)議長のラビアは中国国内で国の安全を脅かす罪を犯しただけでなく、脱税などの経済犯罪行為もあり、中国の司法機関から法に基づき判決を受けた犯罪人である」。また、ダライ・ラマ法王については「ダライは単なる宗教人ではなく、宗教を隠れ蓑にして、長年中国の分裂を企み、チベット社会の安定と民族の団結を破壊しようとする政治亡命者であり、チベット独立を企む政治グループの総頭目である」などと書かれているのだから呆れるばかりだ。
 こうした中国政府の姿勢に外務省が臆したのか、ラビア・カーディル女史へのビザ発給が決定したのは期限ギリギリで、「航空会社にキャンセルの連絡をしようかと思った寸前だった」(ラビア女史)という。
 また、ラビア女史らが靖国神社に参拝したことを知ると、北京政府の洪森報道官が激しい口調で非難した。「中国の分裂分子と日本の右翼勢力が結託して、日中関係の政治的本質を破壊する」「彼らの拙劣な行動は、必ずやウイグル族同胞を含めた国内外の中華人民子弟から唾棄されるだろう」。これもある意味胴喝であるが、それだけで終わらないのが中国だ。「世界ウイグル会議」と前後しで開かれた日中首脳会談の折、胡錦涛国家主席は14日、野田首相との二者会談を拒否。韓国の李明博大統領との会談には応じながら、である。更に15日に予定されていた経団連の米倉会長と楊外相との会談も、前日深夜にキャンセルされた。日経新聞は「世界ウイグル会議開催への不満がある」と書いているが、明らかな日本政府への報復であろう。
 それはともかく、筆者はこの記事の執筆のため、ラビア・カーディル女史と何日か行動をともにしたのだが、ラビア氏たちが集団で行動する時は、常に怪しげな中国人がつきまとっていた。靖国神社でもそうだったが、16日の中国大使館へのデモ行進でも、中国人カメラマンがつきまとい、ラビア氏たちに賛同して参加した一般の日本人女性の顔写真を執拗に撮り続けたりしていた。そうした経緯を踏まえ、「世界ウイグル会議」開催によって生じた日本と中国の軋轢についてラビア女史に問うと、こんな答えが返ってきた。
「とても残念なことだと思います。私達はあくまでも同胞、ウイグル人の人権、自由を獲得するために会議を開催しているのに、中国政府はそれをテロ問題とすり替えているのです。いまウイグル民族は、中国の独裁政権によって、最も過酷な弾圧を受けている民族です。中国はその現実が国際的に認知される事に非常な危機感を持っており、隠蔽しようと必死なのです。そこで中国は、我々がいかに危険分子かということを日本にアピールするため、そのような態度に出たのでしょう。
 中国のやり方はいつも同じです。中国内部で起こつた漢人による反政府的事件でも、ウイグル人と関わりがあるとすり替えて説明し、ウイグル民族が、いかに劣悪な集団であるかと喧伝しています。
 しかしながら、全てのウイグル人はもう目覚めました。中国政府の蛮行や言葉によるごまかしを理解し、様々な方法で対抗し始めています。このことは中国政府にとっても大きな脅威になりつつあると思います。チベット・ウイグル・モンゴルは共産党政権が占領した土地であり、それをコントロールするためにも、全てを反体制政治勢力による策謀だと世界にアピールし、私たちをとことん弾圧したいという考えなのです」

 −この会議に対する中国の反応は?
「妨害は非常に強固なものでした。世界各国から120名以上が来日したのですが、ビザを申請する前から圧力をかけて来ました。私の場合、来日直前までメールで攻撃がありました。実際に2名のビザが下りませんでした。それからカザフスタンのメンバーは日本政府からビザが出ていたにもかかわらず、10名前後にカザフ政府の出国許可が下りず来日できませんでした」


◇ウイグルの母の涙

 実際、カザフスタンからやってきた女性代表員もこう証言する。
「中国政府は、首にロープを巻き付け、まるで死刑囚のように合成された私の写真を添付し、日本に行けば命の保証はできない、とする警告書を送りつけてきました。ご丁寧に、数年前、不慮の事故で死んだカザフ在住のウイグル女性の名前まで書いてありました」
 ラビア女史にも幾度か暗殺されかねない危機があったという。
「もともと私は中国でビジネスをしており、それが成功し一時は国の中国人民政治協商会議全国委員を務めていました。しかし同胞が北京政府に弾圧されている惨状に気付き、彼らを支援する活動を始めると、政府の態度はガラリと変わり、私は犯してもいない罪で逮捕され投獄されました。そして欧米諸国の人権団体や米政府の働きかけもあって、中国は私を外国での病気療養″を理由に釈放し、05年にアメリカに亡命したのです。しかしアメリカでも命の危険は常にありました。怪しげな中国人が家の周りを俳御し、警察に通報して事なきを得たこともあります。また、私の乗った自動車めがけて大型のダンプカーが二度も続けて故意に追突してきた事があります。この時は、命からがら車からはいずり出るように脱出して難を逃れましたが、脊髄を痛め、今もその後過症に苦しんでいます」

 −ところで、中国は巨大な軍隊を持つだけでなく、13億の市場幻想を武器に、世界に対し貴方達を誹訪中傷する言論工作を行っています。これにどう対処するのですか?
「私達ウイグル人が求めているのは非常にシンプルで、人権・民主・自由の獲得−そうした事を日本の人々が理解して下さったからこそ、アジア最大の民主主義国家である日本の首都の、それも衆議院の管轄下にある憲政会館で、ウイグル会議が開催できたのだと感謝しております。また、この会議の直前に、日本の国会議員のみならず地方議員の有志の方々が日本ウイグル国会議員連盟″地方議員連盟″を立ち上げて下さった事は涙がでるほど嬉しい出来事でした。こうした有志の議員の方々を中国政府は極右勢力″と口汚く罵っていますが、なんとも幼稚な手法です。中国政府は日本を批判したり、私達をテロリストに連なる悪の集団と喧伝すればするほど、世界の人々は、何が起きているのかと興味を持ち、調べるでしょう。そうすればウイグル問題の本質を理解できるはずです。何故なら、中国が主張することは、すべて担造であり、私達が訴えていることは真実だからです」
 ラビア女史は11人の子を持つ母でもあるが、5名の子息はいまだにウイグルに拘束されている。3名は軟禁状態で、不当な理由で刑務所に入れられていた2人の息子は、今回の来日に対する報復措置として、ウイグルで最も劣悪な刑務所に移送されたという。つまり、彼女の一挙手一投足は、直接息子さんの命を左右しかねない問題なのだ。その事を問うた。
「世界で最も弾圧され、人権のかけらもない状況に置かれているのが我が民族とチベット族です。愛する息子が危険な状況におかれている情報も得ていますが、私が戦いを止めることはありません。こういった悲劇は私だけのものではありません。不当な拘束によって息子達を刑務所に入れられている何千何万のウイグル人の母親達は、私の目を見ていつ我が子を解放できるのか″と質問してきます。そういう人々は私達に期待しているのです。その期待を裏切ることは出来ません。私はわが民族のために一生を捧げると決めたのです」
 自分に言い聞かせるように気丈に答える彼女の目には涙が浮かんでいた。そして更にこう続けた。
「私の知っている母親は5人の子供を次々と死刑判決で失っています。だから、私がやるべき事はたくさんあるのです。人々の期待に応え、すべての母親が幸せな笑顔を取り戻せるように、もっともっと頑張らなければならないのです。私は、我が民族の母親の涙によって、中国共産党は必ず潰れると信じています」


◇弾圧の歴史

 ラビア・カーディル女史は、その長いウイグルの悲劇の物語を噛みしめるように淡々と語る。
「いかにして束トルキスタンが中国に侵略されたかお話ししましょう。私達は高い農業技術を誇り、美しい伝統文化を持っていました。最初は我々の文化の高さに驚き、絶賛していたのです。笑顔で友好″を連発し、甘言ばかり。それがある時、突然中国は未開で野蛮なウイグル人を教育し近代化させてあげた″と対外的に吹聴しはじめました。
 49年から54年にかけて、人民解放軍は野蛮人を救うために来たといって約25万人を虐殺しました。最初に富裕層、次に知識人、地域のリーダーや名誉を持つ人、宗教指導者の順に殺していきました。カシュガルの王宮も破壊されました。
 次に行ったのが精神的な破壊です。人は一日一食、食べられるかどうかという状況におかれると精神が不安定になります。恐怖感は人としての基本的な感覚を破壊します。中国人はそうした事を熟知した上で、私達を動物のように扱ってきたのです。シャワーを禁じ、川で体を洗う生活や、20人で一つの部屋で寝起きし、10人で一つの鍋をつつく生活を強要しました。
 そして、ある日、微笑みながら我々の政策に間違いがあるなら、素直に声を上げてください。それを参考に改善します″と言いながら、声を上げた人をいきなり国家反逆罪だといって拘束しました。その数は6万人以上で、彼らはタリム盆地に追放されましたが、生きて戻った人は千人にも満たなかったのです。
 61年の配給は1カ月250グラムの油と、8〜13キロの食糧で、飢餓のため数十万人が死にました。当時の汚れた自饅頭″の事件は有名です。ウイグル人に中国人が白い饅頭を投げ与えました。しかしその饅頭は大便をした後、尻を拭いたもので、汚物がこびりついていました」
「1964年から96年にかけて、中国政府はウイグルの砂漠で地上核実験を46回も行い、そのため何十万、何百万という人々が被害を受けました。直接的、間接的にどれほどの人々が死んだか誰にもわからず、中学生になっても歩行できない男の子や、痛、白血病、奇病患者が続出しました。中国政府は被害の大きかった村々を封鎖し、立ち入り禁止にしましたが、98年に医師のアニパル・トフティ氏が密かに潜入し、悲惨な実態を映像にして、世界83カ国で公開しました。しかし、現在も痛や原因不明の奇病は続いていますが、政府は貧しい彼らに一切、治療の支援もせず、自然と死に絶えるのを待っているような状態です」
「2001年の9・11同時多発テロ以前に、中国の全人代の議員が提案した対ウイグル政策17カ条″という秘密文書があります。そこにはウイグル人の豊かさ、楽しみや喜びを奪い、宗教、言葉、文化を破壊、厳しい弾圧で、男は刑務所へ女は奴隷にせよと書いてあり、実際にこの内容が実行されています。06年から09年の間に約40万人の若いウイグル人女性(15歳〜25歳)が沿海部の工場施設などに強制移住させられ、今年の4月にはその数が70万人にものぽりました」

 −どうやって強制連行するのですか?
「中国の役人が娘のいる家庭に数名で押しかけ、最初は都市部に行けば高賃金な職場を紹介する″などと甘言をかけます。それでも親や娘がイエスと言わないと、農民であれば農地没収、住居の破壊、住民権の剥奪などをチラつかせ、最終的に娘を手放すしか手段がない状況に追い込んでゆくのです。実際の労働環境は毎日10時間以上休みもなく働かされ、年収は8万円にも満たないのです。あまりにも過酷な労働環境なので、地元の漢民族はこれらの工場施設を00刑務所〃と呼んでいます。
 この事は秘密裏に遂行されてきたのですが、今年になったら開き直ってウイグル自治区のトップが職にあぶれた貧しいウイグル人女性を救済するため、これから150万人″を強制移住させると公言しました。ウイグル人男性から結婚適齢期の娘達を奪い、彼女達を漢民族と結婚させることによって民族浄化、エスニック・クレンジングをしようという策謀です。これはナチス・ドイツのホロコースト以上の人類に対する冒涜です」

 ■[日本ウイグル協会HP]ウイグル人を殺すなより抜粋
 

 ■処刑されるシナ人女性。
 


◇真に結ぶべき相手は誰か

 −垂慶市長の解任劇など、共産党の内部抗争が激化しているが、ウイグルにどう影響を及ぼしますか?
「中国共産党の内部分裂は我々にとってプラス・マイナスがあります。存続が危ぶまれる共産党は出口のない袋小路にはまっているのは確かでしょう。政府のコントロールがきかなくなり、無政府状態になる可能性もなきにしもあらずです。とはいえ中国は容易にはウイグルを手放さないでしょう。中国にとっての領土とは国際法が定めたものではなく、自分達が欲しい土地、すべて中国の領土ということなのですから。
 今年の4月5日、我が民族の血で両手をいっぱいに濡らした王楽泉ウイグル自治区書記が中央政府に異動し、後任に張春堅がウイグルに赴任しました。そのとき、我々は新人に期待したのですが、結果は逆でした。彼は赴任するや否や、18歳から25歳の子供たちに死刑判決を下し、次々と処刑しているのです。中国政府の政策は、殺したいときに殺す″殴りたいときに殴る″頭を下げろと言ったとき、頭を下げなければならない″。つまり、政策に従わないと命がない″という政策を我が民族にとっているのです。
 今回、世界ウイグル会議で話し合った戦略は、すべてを明かすことは不可能ですが、その一部はウイグル自治区に住む人達に伝えようと思います。しかし非常に困難です。電話は盗聴され、メールも検閲されています。パスワードなど一週間に一度は変えているにもかかわらず、侵入され情報を取られたり、亡命先のアメリカの自宅での会話が、その直後にウェブに掲載され驚かされたことも多々あります」

 そして最後にラビア・カーディル女史はこう結んだ。
「それでも私達は絶望していません。中国の隣国の日本で、私達の大会が開催できたことがその証拠です。この事はいまニュースとして世界を駆け巡っていることでしょう。それによって私たちの戦いを理解してくれる人々が益々増える筈です。泣いたり、嘆いたりしている暇はありません。一歩、一歩前進するのみです」
 世界ウイグル会議終了後、このたび同会議副総裁に選出されたイリハム・ムハマディ氏を訪ねた。開口一番、日本人への感謝の言葉を述べると同時に、携帯に入ってきたニュースに顔を曇らせてこういう。「五月二十日にも大事件があり、十二歳のメルザビット君という少年がコロラという街でコーランを勉強していただけで公安に連行されました。翌日、当局から母親に息子さんは昨夜、我々の質問に耐えられず、突然壁にぶつかって自殺を図った″という連絡が入ったのです。狂乱状態に陥った母親がかけつけると、遺体には全身青痣があり、首にはロープの跡、頭の右側が陥没して穴が空いていたそうです。虐殺されたのは明らかなのに、母親はその場で数名の公安に取り囲まれ息子は自殺しました。遺体は翌日埋葬します″と書かれた文面に署名を強要され、遺体検証もなく一方的に葬られたそうです」。慰めや励ましの言葉もかけられない惨劇である。
 ラビア女史は大会後、福島の3・11大震災被災地を訪れ、ウイグルの歌や踊り、音楽などで慰問した。そしてこんなメッセージを残した。
「今は大変でしょうけど、皆さんは強い国を持っています。それは本当に誇るべきことです。私達の祖国は誰も助けてくれず悲惨な状況にありますが、皆さんのように強い国が持てるよう戦い続けます。そして皆さんのように、どんなに苦しい状況に陥っても、笑顔で対応できるようになりたいと思います。皆さんが一日も早く普通の生活に戻れるよう、また亡くなられた方々が天国で幸せに暮らせるようお祈りします」

 また、東京都の尖閣諸島購入計画に賛同し、乏しい運動資金の中から世界ウイグル会議を代表して、金10万円を寄付した。ところが、これと前後して、北京の公邸の主である丹羽宇一郎大使は、英フィナンシャル・タイムズのインタビューに「東京都の尖閣購入計画は、日中国交正常化以降の数十年の努力を無駄にし、日中関係に深刻な危機をもたらす」と語っていた。
 一部の政治家や経済人は何かというと日中友好″という言葉を、あたかも正義のように繰り返す。しかし、その友好を結ぶ相手は、95%の国民を踏みつけにして、膨大な富や権力を貪る党幹部や商工人なのか、貧しい中で必死に生きている農民や出稼ぎ労働者、それを支援して弾圧に苦悶する一般庶民、中国に蹂躙されているウイグル、チベット、内モンゴル、そして「尖閣諸島は日本領」と言って憚らない李登輝元総統がいる台湾なのか。日本人も真剣に考える時期にきているのではないだろうか。



◇中国・カシュガル

 中国新彊ウイグル自治区の区都、ウルムチで2009年7月5日に起きた暴動から3年が過ぎた。中国当局は住民への監視を続ける一方、同地域の経済活性化策を次々に打ち出すなど、硬軟織り交ぜた政策を展開している。しかし、ほとんど効果を挙げていないのが実情で、6月末には「ハイジャック未遂事件」が同自治区で発生するなど、ウイグル族による抵抗は続いている。新彊で今、何が起きているのか。ウイグル族が9割を占める同自治区西部の中心都市、カシュガルから報告する。…
 当局の過度な干渉を嫌う多くのウイグル族たちがモスクに行かなくなった。自宅など警察の目の届かない場所で礼拝するようになり、小規模な組織が数多く形成された。中国の治安当局者はこれを「地下教会」と呼んでいる。若者が多い地下教会は過激思想の影響を受けやすいとされ、中国当局は、これまで摘発された「テロ事件」の多くに、こうした地下教会が関与したとみている。社会の安定のためと称し、宗教内部に踏み込んだ中国当局の政策は、結果として地下教会を量産し、過激派をつくり出すという悪循環を招いているようだ。 [2012/07/06産経]

■ウルムチ暴動 2009年7月5日
 ウイグル自治区のウルムチで、ウイグル族住民が漢族住民や武装警察と衝突した。広東省でウイグル族が殺害された事件がきっかけだった。中国当局の発表では197人の死者と、1721人の負傷者を出した。死者が1000人を超えたとの情報もある。
 文化大革命中に全国各地で作られた毛沢東像はその後ほとんど撤去されたが、ここでは愛国主義教育の一環として残されたという。




在日中国大使館の中国1等書記官スパイ活動か、出頭否定し帰国:2012/05/30産経

 書記官が不正に銀行口座を開設し、ウィーン条約が禁じた商業活動を行っていた。警視庁が外務省を通じて出頭要請したが、大使館側が拒否し、書記官は一時帰国した。
国内サプリメント業界が中心になって作った社団法人「農林水産物等中国輸出促進協議会」は北京への展示場開設をめざすが、農水省ぐるいみの対中ビジネスの疑惑も。
 書記官は外交官の身分を隠して東大研究員と偽り、銀行口座を開設するため、虚偽の住所などを記した申請書を東京都内の区役所に出していた。一般の外国人なら強制捜査の対象になる事件だ。外交特権を持つ書記官を逮捕することはできないが、書記官が外交官の地位を利用してスパイ活動を行っていた疑いが極めて強い。日本政府は中国当局に対し、書記官を警視庁に出頭させるよう重ねて要請すべきである。
 書記官は中国人民解放軍総参謀部の情報部門出身とみられ、外交官になる前から、何度も日本に入国し、東大や福島大、多くの政治家を輩出した松下政経塾の特別塾生になったこともあり、学界や政財界に人脈を築いていた。要注意人物だ。
 今回の事件を受け、藤村修官房長官は「個別の捜査の案件なので答えは控える」と話し、松下政経塾出身の玄葉光一郎外相は「今朝(省内の)関係者から聞いた。背景、事実関係はまだ承知していない」と述べるにとどめた。
 これまで、中国人民解放軍が絡んだとみられる事件として、平成18年に発覚した、ヤマハ発動機が生物化学兵器などの散布に転用できる無人ヘリコプターを無許可輸出しようとしたケースがある。同社は外為法違反容疑で静岡、福岡両県警の捜索を受け、翌年、執行役員ら3人が逮捕された。
 日本でスパイ活動に適用される法律は外国人登録法、出入国管理法などしかない。いずれも微罪である。スパイから国益と主権を守るための法整備も急がれる。
 

 ■文科省のシナ留学生30万人計画
内10万人が大学院生だとか。しかもだ。卒業後三ヶ月の猶予で、日本国籍を与えるというのだ・・・HPで見たがホンとか!? 小沢氏が人民解放軍の司令官と名乗りを上げたが、日本国籍の人民解放軍将校がドンドン出てくるのでは・・・頼むから中止して欲しい。他の親日国にしてくれ!


◇元書記官問題 中国に謝罪させるべきだ:2012/06/10産経(佐藤優)

 ウィーン条約で、外交官は不逮捕、税の免除などの外交特権を有している。同時に、この条約では、外交官が赴任国の法令を順守するとともに、商業活動から隔離することが義務づけられている。
 日本で勤務する外交官は、外務省に登録し、外交官身分証の発給を受ける。外交官は、一般の外国人のように外国人登録をしない。従って、外国人登録証が発給されることはない。在日中国大使館の李春光・元1等書記官は、外交官であるということを隠し、以前、日本に滞在していたときの外国人登録証を更新した。これは明白な違法行為である。また、李元書記官は、銀行に口座を開設し、顧問料を受領していた。ウィーン条約に違反している商業活動を行っていたことは疑いない。
 玄葉光一郎外相は5日の記者会見で、スパイ容疑を否定、「現時点で外国人登録法違反等である」と答えている。要は、李元書記官はスパイではないということだ。
 筆者が初めて李元書記官の名を耳にしたのは、2010年のことだ。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に日本が参加しないならば、レアアース(希土類)の安定供給、富裕層向けに日本のコメ輸出を実現するというロビー活動を李元書記官は、与野党の国会議員(それもかなり高いレベル)に対して行っていた。筆者は、「大使館の中堅職員である1等書記官なのにずいぶん元気がいい」という印象を持った。李元書記官のこのような動きに関する情報を外務省は持っている。当然、玄葉外相にも報告がなされているはずだ。
 中国も本件が、まずいと気づいている。それだから5月30日、中国外務省は、李元書記官が外国人登録証明書を悪用し、ウィーン条約で禁じられた商業活動をしたとの疑いについて、「中国側の関係部門が調べて確認を行う」と説明した。
 この違法行為に対し、日本政府は毅然たる対応で抗議し、中国に謝罪させるべきだ。なぜ日本外務省は、理詰めで中国を追い込んで、きちんと謝罪させることができないのか。中国側が対抗措置をにおわせて、それに日本外務省が腰を抜かしているのではないだろうか。



◇政府、中国スパイ・李春光の実名公表を拒否:2012/07/13産経
 農林水産省が6月公表の中間調査で書記官を匿名とした。実名の公表を迫ったが、政府側は「相手の同意を得ていないので明らかにするのは控えたい」と拒否。
 平沢氏は「疑惑がなお解明されていない」として集中審議を求めた。
 平沢氏によると「シンクタンク副会長」は中国国家安全部に所属する元大使館員。平成22年に5回開かれ、輸出促進事業のきっかけとなった民主党議員らの勉強会にもすべて出席していた。簡井信隆元農水副大臣らの後押しで設立され、機密流出先となった一般社団法人「農林水産物等中国輸出促進協議会」にも在日中国大使館の李春光・元1等書記官=外国人登録法違反などの容疑で書類送検=とともに関与したとされる。
 ■尖閣暴力衝突事件
管氏は「シナと戦争する気か」、仙石氏は「証拠としては瑕疵があるから公判を維持できない」と。管氏も仙石氏も植民地根性。非があるのは明らかにシナの方。谷垣氏「逮捕しないで返せばよかった」では万年野党だ。


歴史教科書検定に関与した中国人スパイ・李春光
                [WiLL 2012年10月号] 拓殖大客員教授・藤岡信勝

■戦後最大の諜報案件

 この件はいまでは、個人的な蓄財目的の大したことのない事件だったというイメージがメディアの主流になっている。その流れに先鞭をつけたのは、やはり、朝日新聞だった。
 読売新聞のスクープは五月二十九日付だったが、朝日新聞は早くも二日後の五月三十一日付紙面に、「中国書記官、蓄財目的か」という見出しの記事を掲載した。警察幹部の問では、「本来の任務とは別に、個人的な蓄財を図ったのでは」「李氏の個人的な不祥事と見るべきではないか」といった声も上がっている、というのが、記事の締めくくりである。
 私も本誌八月号で中西輝政氏どうよう、中国共産党の対日工作の拠点となつていた中国社会科学院日本研究所が、松下政経塾に研修生を送り込み、そのルートから日本の保守系の運動体の象徴的存在となっていた「新しい歴史教科書をつくる会」に触手を伸ばし、当時の会長の八木秀次氏を欺岡して、「八木訪中団」としておびき出すことにまんまと成功していたことを報告した。
 その結果、「つくる会」を分裂させ、弱体化することに成功したのだから、中国共産党にとっては大成果、大勝利というべきである。
 しかし、私たちは中国共産党による日本の保守運動への介入・撹乱工作という大きな構図だけは当時からはっきり認識していた。 ⇒([中共の日本解放工作綱領]へ)


■歴史教科書介入の歴史

 平成十八年(二〇〇六年)五月十七日に行われた日中歴史教科書討論会の位置付けを考えるため、中国共産党の日本の歴史教科書に対する干渉と介入の歴史を簡単に振り返ってみよう。
 @「近隣諸国条項」の制定
 中国共産党が日本の歴史教科書に干渉しはじめたのは、一九八〇年代に入ってからである。一九八二年(昭和五十七年)六月、高校世界史の教科書検定で起こつた「侵略・進出誤報事件」を奇貨として、機関紙「人民日報」が連日、激しい対日批判を繰り返し、これに屈服した日本政府が「宮澤官房長官談話」を出し、十一月には「教科用図書検定基準」に「近隣のアジア諸国との問の近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がなされていること」という一項目を付け加えた。これが「近隣諸国条項」といわれるものである。
 「近隣諸国条項」の制定によって、教科書検定はその様能を逆転させたということができる。それ以前は、教科書検定制皮は不十分ながらも極端に偏向した歴史記述を是正し、日本の国益と尊厳を守り、日本の教育を共産主義勢力の浸透から防衛する制度だった。
 だが、「近隣諸国条項」の制定後は、国益を損ない、自国の歴史を卑しめる制度に変質した。文部省の内規によって、「侵略」という言葉や「南京事件」についても、いくら自虐的に書いてもお咎めナシとなつたのである。
 A『新編日本史』外圧検定事件
 一九八六年には「『新編日本史』外圧検定事件」が起こつた。保守系の団体を糾合した民問組織である「日本を守る国民会議」は、原書房から高校用の日本史教科書として『新編日本史』を発行し、一九八五年度の文部省検定を受けた。
 まだ検定が終わつていない一九八六年五月二十四日、朝日新聞は社会面の見開き二ページを使った大きな記事を掲載した。見出しは「“復古調”の日本史教科書/日本を守る国民会議/高校用作成めざす/原稿本で教育勅語礼賛/建国神話・三種の神器も」というものであった。『新編日本史』が、極端に右翼的な教科書であるかのような印象を与えるように工夫されたキャンペーン記事であった。
 朝日の記事は、直ちに中国の反発を招いた。むしろ、それをあてにして外圧を誘導するために書かれた記事であると言っても過言ではない。
 それでも、三日後に開かれた検定審議会は『新編日本史』を合格させた。これに対し、中国は内政干渉し、教科書の修正を要求した。
 要求の内容は、わが国の中国侵略を明示し、南京事件は「大虐殺」であったと明記すること、「日中国交の正常化」の写真説明文に、「責任を痛感し、深く反省する」という一九七二年の日中共同声明を入れよというものなど、四箇所であった。『新編日本史』は、執筆者の意に反するこのような屈辱的な書き換えを命じられたのである。
 B「新しい歴史敦科書をつくる会」が結成
 一九九六年、「従軍慰安婦強制連行説」が中学校の全教科書に掲載されたことに憤激した人々が結集して、「新しい歴史敦科書をつくる会」が結成された。「つくる会」は扶桑社から歴史と公民の教科書を発行し、二〇〇〇年(平成十二年)四月、文部省に検定申請した。 中国の唐家溌外相は、「つくる会」の教科書を検定で不合格にするよう日本の外交当局に水面下で働きかけた。その他にも、中国は様々なルートで検定不合格をしきりに求めた。それによって、「つくる会」の教科書をいわば胎児のうちに流産させようとしたのである。しかし、この干渉は失敗した。
 Cシナが八項目の修正要求
 二〇〇一年(平成十三年)四月三日、文部科学省(この年の一月に文部省から名称変更)は、扶桑社の『新しい歴史教科書』と『新しい公民教科書』を検定に合格させた。
 中国は日本政府に圧力をかけ、再検定を求めた。五月十六日、中国外務省アジア局の担当者は日本大使館の公使を呼び、文科省の検定に合格した「つくる会」の教科書に対し、八項目の修正要求を文書で渡した。


■「南京事件はあった」と

 扶桑社はその後、資本金一〇〇パーセントの子会社、育鵬社を設立し、扶桑社の教科書事業を継承した。その育鵬社応援団として「教科書改善の会」(屋山太郎代表)が結成されたが、二〇〇七年七月二十四日の設立時に発表された「教科書改善の基本方針(概要)」には、次のように書かれている。
 育鵬社の歴史教科書の文面には、「犠牲者の数」に諸説あるとして「規模」だけが書かれており、「在否」のほうには言及がない。南京事件がなかつたという説だけは書いてはいけない、という中国の指示に従ったことになる。
 さらに、日中歴史共同研究での報告書には、やはり、事件否定説を立証した過去十数年の研究は一行も引用されていない。それらは「学界の通説」ではない、というのが、ここでも逃げ口上になつている。


■中国側の要求を受け入れる

 育鵬社の教科書に日本民族の汚名を雪ぐことを期待するのは、木によりて魚を求めるに等しい。
 育鵬社の教科書を読んで、さらに驚いた点を二つあげておきたい。「新しい歴史教科書をつくる会」は『新しい歴史教科書』の初版(扶桑社版)で、「大東亜戦争」という単元のタイトルを苦心の末、教科書検定で認めさせた。これは文科省が一度通したのだから検定で意見を付けることのできない、いわば教科書改善の保塁であり前進拠点である。ところが、育鵬社の教科書は、何と「太平洋戦争」というアメリカ占領軍が強制した戦争呼称に戻してしまったのである。
 なぜそんなことをしたか。本稿の読者にはすでにお分かりであろう。
 中国社会科学院日本研究所で「八木訪中団」は、歩平氏から、太平洋戦争を大東亜戦争と言うのは「相当な問題」があり、「間違い」だとゲンメイされていたのである。
 さらにもう一つ。育鵬社の教科書は、中国・韓国の人名・地名の固有名詞に、現地読みまがいのルビをつけている。蒋介石を「チャンチエシー」と読ませるなどである。育鵬社は朝鮮の過去の王朝である高麗についてまで「コリョ」というルビを振っているが、東京書籍でもそんなことはしていない。
 「つくる会」の分裂を企てたのは八木氏だが、そのプロセスと中国共産党の対「つくる会」工作・破壊活動は同時並行で進んでいた。
 本誌八月号で中西輝政氏は、李春光が従事したメインの活動は「相手国の政策や世論を自国の国益に沿うようネジ曲げる特殊工作」だったと分析し、この種の工作を「日本にとって最大の脅威」と位置付けた。李春光らはやはり、巨大な成果を上げたと言うべきである。




自殺した上海領事館員の遺書を入手!
          読売新聞 : 2006/03/31

 2004年5月、在上海日本総領事館の館員(当時46歳)が自殺した問題で、館員が中国の情報当局から外交機密などの提供を強要され、自殺するまでの経緯をつづった総領事あての遺書の全容が30日判明した。
 本紙が入手した遺書には、情報当局者が全館員の出身省庁を聞き出したり、「館員が会っている中国人の名前を言え」と詰め寄るなど、巧妙かつ執拗に迫る手口が詳述されている。中国側が館員を取り込むために用いた中国語の文書も存在しており、これが、日本政府が「領事関係に関するウィーン条約違反」と断定した重要な根拠となったこともわかった。中国政府は「館員自殺と中国当局者はいかなる関係もない」と表明しているが、遺書と文書はそれを否定する内容だ。
 自殺した館員は、総領事館と外務省本省との間でやり取りされる機密性の高い文書の通信を担当する「電信官」。遺書は総領事と家族、同僚にあてた計5通があり、パソコンで作成されていた。総領事あての遺書は計5枚の長文で、中国側の接近から自殺を決意するまでの経緯が個条書きで記され、最後に「2004年5月5日」の日付と名前が自筆で書き込まれている。
 それによると、情報当局は、まず03年6月、館員と交際していたカラオケ店の女性を売春容疑で拘束。処罰をせずに釈放し、館員への連絡役に仕立てた。館員は同年12月以降、女性関係の負い目から当局者との接触を余儀なくされた。接触してきたのは「公安の隊長」を名乗る男性と、通訳の女性の2人だった。
 館員は差し障りのない話しかしなかったが、04年2月20日、自宅に届いた中国語の文書が関係を一変させた。文書は、スパイの監視に当たる「国家安全省の者」を名乗り、「あなたか総領事、首席領事のいずれかと連絡を取りたい」と要求。携帯電話番号を記し、「〈1〉必ず公衆電話を使う〈2〉金曜か日曜の19時―20時の間に連絡せよ」と指定してあった。
 館員は「隊長」に相談。すると約2週間後、「犯人を逮捕した」と返事がきた。文書を作った者を捕まえたので、問題は解決した、との意味だった。館員はこの時初めて文書は「隊長」らが作った可能性が高く、自分を取り込むためのでっちあげと気付いた。遺書には、「(文書は)彼らが仕組んだ」と悟った、と書いている。
 「犯人逮捕」を期に、「隊長」は態度を急変。サハリンへの異動が決まった直後の同年5月2日には「なぜ(異動を)黙っていたんだ」と恫喝した。「隊長」は、総領事館の館員全員が載っている中国語の名簿を出し、「全員の出身省庁を答えろ」と詰め寄った。「あなたは電信官だろう。報告が全部あなたの所を通るのを知っている。館員が会っている中国人の名前を言え」と追い打ちをかけた。
 最後には、「今度会うとき持ってこられるものはなんだ」と尋ね、「私たちが興味あるものだ。分かるだろう」と迫った。
 約3時間、恫喝された館員は協力に同意し、同月6日午後7時の再会を約束した。館員は、「隊長」は次には必ず暗号電文の情報をやりとりする「通信システム」のことを聞いてくると考え、面会前日の5日に遺書をつづり、6日未明、総領事館内で自殺した。遺書には「日本を売らない限り私は出国できそうにありませんので、この道を選びました」などとも記している。
 「領事関係に関するウィーン条約」は第40条で、領事官の身体や自由、尊厳に対する侵害防止のため、受け入れ国が「すべての適当な措置」を取るとしている。遺書の内容は具体的で、それを裏付ける中国語文書も存在しているため、中国側の条約違反の疑いが濃厚だ。
          ◇
 外務省の鹿取克章外務報道官は30日夜、上海総領事館員の遺書の内容が判明したことについて「本件は、館員のプライバシーにかかわるので、コメントは差し控えたい」と述べた。



◇実権は社内共産党:中国企業、米欧と摩擦広がる

 米欧政府が中国企業の事業拡大に異を唱えるケースが続いている。企業の背後に中国共産党の意向が見え、企業進出に名を借りた経済侵略″への警戒が根強い。共産党がこのほど開いた党大会では国有企業経営者が要職に選ばれ、党による企業支配の継続を印象付けた。中国の企業統治は不透明なままで、米欧による不信解消の道筋は見えない。[2012/11/29 日経]


■買収認可先送り
 「共産党、政府、人民から任された重責に負けず、国家のエネルギー安全保障のために前進しよう」。国有石油大手、中国海洋石油総公司(CNOOC)の幹部会議。幹部は王宜林会長の総括に拍手でこたえた。ステークホルダー(利害関係者)の筆頭は株主でも消費者でもない。共産党だ。
 CNOOCは7月、カナダのエネルギー大手ネクセンを約1兆2千億円で買収すると発表した。だがカナダでは慎重論が持ち上がった。「国家の存亡に関わる部門を任せてよいのか」。カナダ政府は買収認可の判断を10月からほ月に先送りした。
 米系証券アナリストは話す。「CNOOCは共産党の方針を最重視している」。王会長は党大会で「党の精神に従い、政府が主張する領海で油田開発を行う」と主張。日本やフィリピンなどと摩擦がある地域での開発を続ける姿勢を示した。
 中国商務省幹部は「中国企業に市場を奪われる可能性があることへの反発だ」と米欧政府を批判。だが米投資会社幹部は「中国企業の不透明な企業統治への不信感が表面化しただけだ」と反論する。


■民間96%に組織
 中国の国有企業ならすべて、民間企業でも年間売上一高が約2億5千万円以上の企業の96%に社内に共産党組織がある。共産党組織は経営陣を指導する位置づけだ。ある国有企業の人事担当役員は「社内の共産党組織トップである書記の権限は会長、社長を上回る」と打ち明ける。企業統治は、採算より共産党の意向が優先される仕組みだ。
 中国で共産党は政府より上位の存在だ。政策の立案や遂行は政府の役割だが、一重要な政策判断は共産党が担う。しかも意思決定の過程は外部に見せない「ブラックボックス」だ。米欧政府は中国企業の背後に共産党の存在をかぎ取り、企業活動が共産党の戦略にすり替わることを警戒する。
 今回の党大会では指導層の中央委員に国有企業経営者7人を選んだ。5年前は2人だった。香港の証券アナリストは「共産党と国有企業の一体化が改めて浮き彫りになった」と分析する。
 共産党は民営企業の取り込みも進める。党幹部への民営企業家の登用を検討しており、これも欧米の警戒心を強める。中国建機大手の三一集団は有力な民営企業だが、経営トップは党への忠誠を誓う。オバマ米大統領は同社が計画していた米国での風力発電所の建設中止を命令、シナ通信企機器(ファーウェイ)を排除した。
 共産党はトップの総書記に習近平氏を選んだが、新指導部が企業支配の手綱を緩める兆候は全く見えない。選考過程では密室の権力闘争が繰り広げられた。中国企業が抱える統治の不透明さは中国の共産党支部の不透明さに重なる。新指導部になっても摩擦解消が進むとは考えにくい。



◇中国の奥の手は「敵国条項」だ
                   [WiLL2003年2月号] 中西輝政


■売国的日本経済界の所業

 そもそも米倉会長は、尖閣問題で勃発した今年九月の大規模な反日暴動に対しても、日本側に非があるかのような物言いをしていた。九月末に「日中の関係改善のため」と称して訪中した際にも、「尖閣に領土問題は存在せず、妥協する考えはない」と発言した野田総理を正面から批判した。
 米倉氏は中国の立場に立って、「相手が問題と言っている以上、それを解決するのがトップとしての役割」などと言ってのけたのである。
 2012年11月15日には、中国商務省国際貿易経済協力研究院の金柏松副主任が、反日暴動について「中国政府は遵法行為を働き掛けたことは一切ない。日系企業の損害を中国政府が賠償する必要はない」と述べたことについても、経済界は抗議すらしなかった
 百億円を下らない損害を受けてもただ黙って頭を下げているのがいまの日本だが、それほどまでに中国との経済関係が重要だというのか。ここに、「経済界」がこの国を滅ぼす構図が浮かび上がっているように見える


■不当に扱われる日本企業

 すでに暴動が起こるまでの一年あまり、欧米諸国の対中投資額は軒並み減少しており、アメリカの場合は暴動前まででも前年比一六%減であつた。欧州危機の影響だと指摘する声もあるが、実際の理由は中国市場のピークの時代が終わったと判断し、見切りの早い欧米は中国市場から急速に撤退しはじめていたとみるのが正しい。
 ところがこの間、日本企業だけは中国に対する投資額が前年比36%増となつている。続々と欧米企業が中国から引き揚げるなか、日本だけがさらなる深みに嵌まるように、前例のない対中投資を行っているのである
 しかもそこには、さらに看過できない日本企業に特殊な状況が絡んでいる。欧米諸国の企業は、中国への投資において不利益な条件付けがないために参入、撤退を比較的身軽に行うことができる
 それに対し、日本企業は中国進出の際、欧米諸国にはない“条件”を課せられている。本来であれば、中国もWTO加盟国のため、相互に同じ条件で各国企業を扱わねばならず、特別な相手国の企業に対する不当な扱いは許されないはずだ
 にもかかわらず、日本企業はWTOどころか日中友好平和条約にさえ違反しているのではないかと思われるような条件を呑まされているのである。なかでも最大の問題は、日本企業の撤退に際して課せられる条件だ
 そのうちの一つが労働者の「退職金」問題で、法外な金額を要求されたうえ、中央政府以下、地方も一丸となつて労働者の側に立ち、完済しなければ撤退を認めないという。払えなければ、引き続き中国に留まる他ないのである。つまり、日本企業は骨までしゃぶらなければ帰さないということだ。
 なかには、進出先の「地域環境整備」まで要求されている日本企業も数多くある。汚染された河川の浄化、緑地造成の要求などは序の口で、日本企業の運営する工場とはまるで関係のない遠く離れた山林への植林や、農道の舗装などのインフラ整備費(そのなかには当然、地方幹部が取るうわ前″を含む)を、進出の際に、撤退する時の条件として負わされているケースまであるという。…外務省は日系企業を見殺しにしている。
 それどころか、「撤退」の噂が流れると日本人幹部職員を“監禁”し、パスポートを取り上げるなどという完全な犯罪行為を地方政府が労働者と一体になつて行い、撤退を阻止する場合もあるというのだから呆れる。
 しかしこうした暴力手段も、共産党のイデオロギーでは「地方政府による行政指導」の範時に入る、と正当化されていることを知らねばならない。法を無視した暴力に訴えるのは、何も反日暴動に加わった若者だけではないのである
 佐々薄行氏が「中国大使の職務は商人には務まらない」と書き、櫻井よしこ氏がそれを紹介すると、他でもない丹羽大使を任命した当時の岡田外相から最近、抗議文が来たという(『週刊新潮』二〇一二年十一月二十九日号)。その内容は、「(佐々氏や櫻井氏の言論は)官尊民卑、第三次産業に従事する人たちを侮蔑している」というものだったそうだが、他でもない、イオングループの御曹司である岡田氏こそ「第三次産業の利害を踏まえた政治家」であるという自らの立場を弁えるべきだったろう。
 しかも岡田氏も丹羽氏も、政的や他の企業への飛び火を恐れてか、不当な条件を押し付けられた日本企業の窮状を救うことはすっかり怠っていたのである


■世界一盲目な商売人

 中国に進出した日系企業は、日本企業の財産であるはずの先端技術や特許を簡単に盗まれてしまう。企業が損をして会社が傾くだけならば「身から出たサビ」で済むが、そうした技術は一体、どこから来たのか。実際に、これら日本企業の持っている技術の基礎に属する部分は、国立大学が国民の血税を使って基礎研究を行って出来上がったものが大半なのである
 例えば、燃料電池であれ電気自動車であれ、国民の税金で基礎研究が行われ、それで下地ができたからこそ、企業が自社の利益を生む先端技術を開発できたのである。つまり、国民の血と汗が日本企業の今日を支えているのである。
 ところが、経済人たちは国民の努力など一顧だにせず、経済重視で中国に進出し、国民の血と汗の結晶である技術を安易に中国に売り渡している。
 国益を度外視して自社の利益のみに拘泥し、そしていま、中国経済の危機を見落とすか、あえて見なかったことにして中国市場にしがみつこうとしており、そのために領土や国益の根幹まで蔑ろにしているように見える。このような日本の経済人は、「世界一盲目なビジネスマンたち」であるといっても過言ではない。


■カモ、東方より来る

 中国の側もそのことを分かっているから、尖閣閣問題をめぐつても、日本の財界を自らの対日戦略の走狗として徹底的に利用しようとするのだ。戦前の陸軍同様、中国は日本企業を大陸に引きずり込み、骨がらみにし、最終的には身ぐるみ剥がすまで離さないつもりなのだろう。
 一方、一般の日本人は「戦争の怨念を超えて再び日中の懸け橋とならん」との財界リーダーたちの美辞麗句に騙されてきた。「過去の歴史」を突き付け、優位に立ったうえで「それでも未来志向で、子子孫孫までの交流を…」などというのは、中国人が日本人を懐柔するためによく使う手である。
 この手を、日本の一部の経済人もODAなど国民の税金を自らの事業に有利に活用するため、日本の同胞に対して用いたのである。
 中国は、美辞麗句を使って自陣に引き入れた日本経済界という東方から来た「北京ダック」が丸々太るのを三十年、四十年と待ち、いま、その 技術と権益を骨までしゃぶり、根こそぎ奪おうとしているのである。
 よもや、中国の腐敗、汚職体質が伝染したのではあるまい。中国側が囁く汚職や腐敗利権の誘いに「郷に入っては郷に従え」とばかり、すっかり癒着構造にのめり込んでいるのではないか。他国企業の動向や経済指標から見てあまりに不可解なだけに、あるいは明るみには出ないが何らかの汚職や腐敗によるものなのではなとつい疑ってしまう。
 こうした日本経済界の中国への異常な「入れ込み」に不審を抱くのは、私だけではない。この頃では、京都大学内の普通は左翼的なスローガンが並ぶ立て看板のなかに、しばしば「日本経済界の腐敗した売国奴を許さない!」などの文字が見受けられるようになった。


■敵国条項という最終兵器

 楊外相演説のポイントは、次の三点だ。
 一、日本による尖閣国有化は、日本が再び中国の主権を侵盤せんとする侵略行為である。
 二、日本のこのような行動は、第二次世界大戦後に生まれた国際秩序を破壊する行為である。
 三、日本の行為は、国連憲章の原則と精神に違反する挑戦である。
 もう、おわかりだろう。中国は国連憲章第五十三条、百七条の「敵国条項」を使おうとしているのである。このことに気づいた時、「しまった」と私は思った。と同時に、つくづくこの国の「危うさ」を痛感した。
 もっとも、本条二に定める敵国のいずれかに対する措置で、要するに、第二次大戦中、国連加盟国(中国は原加盟国、つまり創設メンバーとされる)の敵国であった日本とドイツに対して、この「敵国条項」が適用される(イタリアなどは大戦末期に連合国に寝返っているので、適用については論争がある)。
 この二国が「再び侵略政策の動きを見せた時」、あるいは「第二次世界大戦で出来上がった国際秩序に対して、それを棄損する行為に出た時」には、国連加盟国は安保理の決議や承認がなくても、自国の独自の判断によって日本やドイツに対しては軍事的制裁を行うことができる、とされているのである。
 そして、安保理やアメリカを含むいかなる加盟国も、それに対抗したり阻止したりすることはできない、とわざわざ念が押されているのである。


■照準は「日米同盟」瓦解

 この「敵国条条項」を以て、中国のいう「超限戦」が貫徹されるシナリオはすでに早くから出来上がっていると見るべきだろう(日本とソ連=ロシアとの問では、九一年四月の日ソ首脳会談の共同声明で「敵国条項」を適用しないことを合意しているが、中国との問にはその合意はない)。
 おそらく、中国の描く有力なシナリオはこうだ。中国が尖閣に漁民を装った特殊部隊を上陸させる。取り締まりのために日本が海保の巡視船を出すが、衝突が起こり、中国海軍の軍艦が沖合に姿を現す。
 これにより、後方から監視していた海上自衛隊も動き、実質、軍事衝突一歩手前までの事態になる。しかし、戦争を意味する「防衛出動」の発令は難しいから、北の工作船を追いかけた時の「海上警備行動」止まりであろう。
 アメリカの存在を頼みにしながら、日本政が海上自衛隊に「海上督備行動」を発令し、動き出した瞬間、中国当局が次のような声明を発表する。
「中国は、国連憲章の定めを破り、再び侵略行動を開始した日本を制裁するため、国連憲章の『敵国条項』にのつと則って軍事行動に入る」
 これにアメリカはどう反応するだろうか。上院で「尖閣諸島には日米安保が適用されるべき」と決議されたとはいえ、アメリカといえども国連憲章を無視することはできず、憲章に拘束されて、少なくとも初動が鈍るか、もしくは動きを封じられるだろう。こうなると、日本中はパニックに陥るだろう。しかしそうなれば、日本人の日米安保への信頼は根底から揺らぐかもしれない。そして、これこそがまさに中国の真の狙い、つまり日米分断が一挙に達成される瞬間である。
 それは大げさに言えば、「戦後日本が終わる時」と言えよう。いずれにせよ、中国によって敵国条項を持ち出された時点で、日本国内も総崩れになりかねない。そしてその瞬間、「尖仙閣は中国のもの」となる。
 日本の尖閣への実効支配の強化を「再侵略」と位置付け、アメリカを国際法的に抑止し、日本を決定的に孤立させる中国の秘密兵器、それが敵国条項なのである。


■外交の機先を制すべし

 外交は機先を制さなければならない。外務省、政府、そして官邸が一体となって、早急に敵国条項の実質的空文化を再確認する決議を国連の場で強力に推進し、あわせてアメリカ政府や国際社会に対し、「敵国条項を中国が持ち出す可能性がある。総会で、撤廃に向けたより強い失効決議に賛成してもらいたい」と働き掛け、「このままでは中国に国連憲章を悪用されることになり、アジアの平和は瓦解する」と広く、そして大きな声で国際世論に訴えるべきだ。多くの欧米紙に一面広告を出してもいい
 「常任理事国入り」などという幻想を追うのではなく、この条項の削除にこそ、何百億円をつぎ込んでも無駄にはなならないはずだ。繰り返すが、「国連」の名のもとで中国の「軍事制裁」を受け、多くの日本人が血を流し、領土も奪われる事態を迎えることになれば、日本にとってそれは何という悲劇であろうか。「戦後日本」という虚妄を、これほど劇的に示す例はないだろう。



◇チベット人が大規模集会 僧侶への執行猶予付き死刑判決に怒り:2013/02/11産経

 チベット亡命政府は1月30日からの4日間、ニューデリーでシナ政府によるチベット人弾圧を非難し、国際社会に支援を求める大規模集会を開いた。しかし、集会の直前には、チベット自治区で自治区政府主席に強硬派とされるロサン・ジャムカン氏が選出された。集会の開催中には、チベット僧が中国の裁判所で執行猶予付きの死刑判決を受け、習近平指導部のチベット政策の転換を期待していた亡命人社会には、失望感が広がっている。
 初日の30日の集会には、亡命チベット人数千人のほか、インド政府の元副首相や最大与党、国民会議派の下院議員2人を含むインド側の出席者ら計約5000人が出席した。
 亡命政府によれば、中国では2009年以来、弾圧に抗議し、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の帰還を求める住民99人が焼身自殺を図り、このうち少なくとも83人が死亡している。
 亡命政府首相は、中国政府による人権弾圧を非難するとともに、「インドの首都でこうした集会が開けることは、チベット人に対するインドの親愛と思いやりの証拠だ」とインド側に謝意を表明した。続けて、「中国政府は軍事的冒険主義や国民主義を高めている」と指摘し、「インドや日本、フィリピン、ベトナムなども神経質になっている」「中国政府が政策を変更する望みはほとんどない。強硬派の自治区政府主席のもとで、焼身自殺者は増えるかもしれない」と警戒感をあらわにした。
 シナからの報道によれば、31日には、中国四川省アバ・チベット族チャン族自治州の中級人民法院(地裁)が8人に焼身自殺するようそそのかし、このうち3人を死なせたとして、チベット人の僧侶、ロブサン・クンチョク氏に執行猶予付きの死刑、クンチョク氏の甥に懲役10年の判決をそれぞれ言い渡し、チベット人社会の怒りの火に油を注いだ。
 判決に対し、亡命政府は2月1日、声明を発表し、「しかるべき訴訟手続きも適正な説明もなく、こうした判決が下されたことは受け入れられない」と非難した。また、「判決はチベット人の基本的人権を否定するものであり、チベット人の(自治への)大望と、相次ぐ焼身自殺への深い苦悩を完全に無視したものだ」と反発している。

 ■中国新疆でウイグル族12人射殺。大分合同2013/09/18
ウイグル自治区で8月23日、中国の公安当局がウイグル族12人を射殺した。けが人も多数出た。同月20日にも公安当局がテロを計画しているなどとしてウイグル族22人を射殺しており、情勢の緊迫がうかがえる。
 ■「柳条湖の日」デモなし…中国政府、抑え込み。読売2013/09/18
中国政府は昨年はデモを容認したが、今年は抑え込む姿勢に転じた。デモが社会に不満を持つ層を刺激し、政権批判に向かうことを警戒したとみられる。※シナ人民は反日よりも、「反中共」なのだ。

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[中国やっかいな隣人 退くも、退くも、残るも地獄]


 官製反日デモの嵐が吹き荒れ、現在はその前に戻ったとする親支那著書が棚に並んでいますが、実際は支那人の反日感情が以前にも増して増大し、欧米企業はすでに撤退し、日本企業も嫌気がさして撤退が進んでいるというのが事実のようです。
 今回、北陸で主に出版されている[中国やっかいな隣人 退くも、退くも、残るも地獄。ACTUS 2014/06月号]より、下記抜粋しました。
 「8番らーめん」を展開するハチバンは、中国・大連市に構えていた3店舗を、3月末までにすべて閉店したことを明らかにしました。北陸の外食産業の雄とされるこの企業が、大連市に1号店を開業したのは2011年9月のこと。当時、大連市を皮切りに、10年間で中国全土に100店を出店する計画を立てていました。傍目には、計画は順調に進んでいるように映りました。ところが、わずか2年余りでの全店閉店。一体、何があったのでしょうか。


◇官製反日デモが中国撤退の契機

 いくつかの理由はあるにせよ大きな契機となったのは12年秋、日本政府による尖閣諸島国有化をきっかけに中国各地で吹き荒れた反日デモでした。大連市内でデモは起きませんでしたが、この騒動を境に客数が計画を3割ほど下回る状態が続きました。昨年から徐々に回復してきてはいましたが、デモが起きる前の水準には達していませんでした。
 ハチバンは現地企業と合弁会社を設立し、店舗を展開していました。日中関係の悪化に伴い、合弁の相手先企業が同市内で営む日本食レストランが業績不振に陥り、ハチバンに合弁解消の申し出があったそうです。
 『尖閣』以来、住民の間で、日本食をはじめ日本のものに対する抵抗感が強くなった。実際中国に進出したサービス業関連企業の中には、反日デモ以降、常連客がばったり姿を見せなくなつたというケースも珍しくありません。日本人店員は「『日本人の店に行っているのか』と家族や親戚から嫌みを言われ、来づらくなったとこぼす客もいる」といいます。また、習近平総書記が官僚腐敗の一掃のため打ち出した綱紀粛正方針により、公務員の外食などに対する規制強化されたことも、客足が遠のく一因になつたと分析します。
 実はハチバンが中国に出店したのは大連が初めてではありません。05年に上海と青島に店を出しましたが、ともに撤退しています。


◇反日感情の高まり

 中国の都市の中でも大連は「親日的」とされてきました。金沢市や七尾市の友好都市であり、富山県は県事務所を構えます。しかし、近頃はその「親日」に、疑問符を付けたくなる逸話も少なくありません。   むろん、そのような市民ばかりではないのでしょうが、デモを一つの契機に、「反日」の風が大連でも強まっている側面は否めないようです。


◇広がる「脱中国」の動き

 反日感情の高まりに加え、人件費の高騰や経済成長率の鈍化。ほとほと中国に嫌気がさし、『脱中国』を図る日本企業が増えている。北京では『撤退セミナー』が盛況だ。中国ウォッチャー・宮崎正弘氏は説明します。
 中国は10年ごろから賃金上昇が加速しており、国務院(中央政府)は11〜15年に最低賃金の上昇率を年平均13%以上とすることを決定しています。15年前に7000〜8000円だった労働者の月平均賃金が今では5〜6万円に挑ね上がっています。
 その一方で、14年1〜3月期の国内総生産(GDP)成長率は前年同期比7.4%増と、13年10〜12月期の7.7%から鈍化し、中国経済の減速が鮮明になりました。
 これらの背景もあり、中国商務省が4月に発表した1〜3月期の日本から中国へ、の直接投資実行額は、前年同期比47.2%減の12億900万ドル(約1233億円)と、ほぼ半減しています。宮崎氏の指摘通り、日本企業の中国離れの実情が浮き彫りになっています。


◇「法治国家と呼べない状態」

 安い労賃で労働集約を図る中国でのビジネスモデルはもう、終わった。ある日系企業は、大連に持つ工場の生産機能の一部を、年内いつぱいで国内工場に移管する予定です。
 大連工場は人件費が毎年15%ほど上がり続けています。円安進展による製造・輸入コスト増が加わって、4期連続で赤字を計上しており、赤字幅も年々拡大しています。それでも、現地に進出する日系メーカーへの供給責任を果たすために完全撤退はせず、生産規模を半分程度に縮小する意向です。
 規模縮小の理由は、実は、それだけではないんです。一例が不可解な税の徴収だです。本来は関税の支払いが猶予される保税扱いの在庫部品などに多額の税金を請求されたことが何度もあり、「断れば操業できなくなる恐れがあった」と言います。
 現地の担当役人から「消防法の基準を満たしていない」と根拠も示されずに「改善指導」を受け、コンサルタントを紹介されたこともあります。そのコンサルタントが要求する「謝礼金」は「目玉が飛び出るほど高額」でした。
 日本人社長は納待がいかず、同じ目に遭っている大連市内の日系企業と連絡を取り、団結して当局に異議を申し立てようと試みました。しかし、大半の企業は既にコンサルタントと契約を交わしてしまっており、仕方なく「改善指導」を仰ぐことにしたそうです。
 ところが、コンサルタントが行った仕事といえば「機械の中に手を突っ込んではいけない」などと誰でも知っているような事柄をまとめた「安全管理マニュアル」を1枚、置いていっただけ。後日、そのコンサルタントが当局の関係者と近しい人物であると知り、「謝礼金」の一部が「分け前」としてこの役人のポケットに入ったのではないかとの疑いを強めています。
 法律はあっても、すべては現地の担当役人の判断に委ねられている。とても法治国家とは呼べない状態だと、社長は怒りを抑えきれない様子です。


◇社員、警備員、運送業者…「みんな盗っ人」
 ■賄賂の口止め料せびられ
 中国では、官僚のリベート(賄賂)の要求が常習化しているとされており、日系企業の製品などにかかる税率を、地方政府が独自の判断で決めることも茶飯事といわれます。
 「曖昧な理由で500万円の追加徴収を言い渡され、それを断ったら追徴額が2000万円に跳ね上がった」
 富山県に本社を置くメーカーの男性幹部社員は、賄賂を渡さないことに対する嫌がらせとしか考えられない話がまかり通る実情にあきれ顔を浮かべます。
 「あの役人に賄賂を送ったことを公にされてもいいのか」と、別の役人から口止め料をせびられたという経営者もいます。中国東北部の商業ビルに出店した日系企業は「当局関係者から、電球や電線、コンセントに至るまでメーカーを指定された」と打ち明けます。つまり、「中国での企業間競争は党幹部とのコネクションがものをいう」のが現実です。
 
 ■本業そっちのけで社内監視
 現地従業員による盗難も頻発しています。富山県から中国東北部に進出した機械部品メーカーの男性経営者は「自社製品を盗む中国人従業員らの監視に日々、追われている」と疲れた声で話します。
 宿舎のベッドや枕の下は言うに及ばず、トイレの排気口に部品を入れた袋がびっしりと詰まっていたことがあつたそうです。女性従業員が下着の中に盗品を隠し持っているのが判明した時は「開いた口がふさがらなかった」と男性経営者は苦笑します。
 男性経営者によると、会社や宿舎の窓に金網を張ってありますが、それは、夜中に従業員が部品を窓から放り投げ、外で待つ買い取り業者に売り渡すことができないようにするための措置だそうです。
 会社側が金属探知機で社内に隠された盗品を見つけ出そうとして、空振りに終わったこともあります。後になって、捜索を委託した業者と買い取り業者がグルだったことを知ったといいます。
 「警備員が夜警中に製品を盗む様子が防犯カメラに映っていたこともある」と男性経営者は述懐します。
 発送した荷物が必ず1箱なくなるため、男性経営者自ら運送トラックを尾行したところ、途中で運転手が換金業者と落ち合い、荷台の製品を売り渡そうとする場面を目の当たりにしました。運転手を問い詰めても「製品の品質の良さをこの人(換金業者)とほめていただけ」などとシラを切り続けたそうです。
 「どいつもこいつも盗っ人ばかりで、本業そっちのけで監視に明け暮れている。一体、何をするために中国まで来たのやら」。男性経営者はうんざりした様子でつぶやきました。
 
◇「幻想が幻滅に」合弁会社を解清

 「幻想を抱いて進出し、それが幻滅に変わった。生半可な覚悟では絶対に進出しないことだ」。こう警鐘を鳴らすのは、タンク製造・玉田工業の社長です。
 ガソリンスタンドの減少で市場が冷え切っている国内に代わる有望市場として中国に目を付けたのが4年前。世界最大の自動車市場となったかの国は、ガソリンスタンドの建設ラッシュに沸いていました。
 10年1月、初の海外生産拠点として河北省に現地企業と合弁会社を設立しましたが、当時から昨年までに生産したタンクは約70基。当初計画の年間生産基数にも達しません。
 ■PM2.5以上に深刻な土壌汚染
 社長によると、中国は環境面の法整備が進んでおらず、給油所の多くは耐久性などが不十分な製品を使用しており、油の漏洩による土壌汚染が深刻な状態です。合弁会社設立時、中国側から翌年には規制が強化され、玉田工業の主力製品である油の漏洩防止機能が高い二重構造タンクが標準仕様になるとの説明を受けていました。
 しかし、いつまでたっても規制は強化されず、安価な低品質のタンクが主流のままで、空気中のPM2.5問題が騒がれているが地下の汚染はもっと深刻だ。しかし、そんなことはお構いなしに給油所をどんどん作っている。安全性と付加価値の高いタンクを使う気など毛頭ない。中国にとどまっても意味がないと判断し、今年5月30日をもって合弁を解消し、現地工場は合弁相手に売却します。手痛い経験にも照らし合わせ、日本企業の中国離れが今後、加速するとみています。
 
 ■撤退費用は1億円!?
 ただ、中国からの撤退は、そう簡単にはいかないようです。
 「撤退時に従業員全員に給料1年分の補償をしろとか、これまで特別免税していた税金をそっくり返せとか。従業員だけでなく現地政府がいろいろと難癖をつけてくる」。評論家の宮崎氏は「中国リスク」の一つとして、いったん進出すると、退くに退けなくなる点を挙げます。
 多くの都市は、海外からの進出企業に土地の無償提供などさまざまな特典を提供していますが、その分、返還も多額になりかねません。中国からの引き上げりにかかる費用は従業員50人程度の企業でも1億円が相場といわれます。
 日本の退職金に相当する補償金の額が十分ではない、次の就職先の面倒をきちんと見ない、などとして現地従業員の不満を買った場合は、暴動につながるケースも少なくありません。
 
 ■多額の退職金求め暴動
 こんにやく製造・販売のオハラも中国からの撤退時、日本人社員が現地労働者に軟禁されました。江蘇省の工場で働いていた約100人の中国人が、多額の退職金などとともに設備の引き渡しを求めて暴動を起こしたのです。
 小原社長が中国人労働者の要求を全面的に受け入れることで事態は沈静化しました。幸い、負傷者は出ませんでしたが、設備はすべて奪われ、オハラには精算に伴う多額の損失だけが残りました。
 ほうほうの体で中国から脱出した北陸の企業は他にもあります。上海市から退いた繊維関連企業の経営者は「大量の在庫処理の費用なども全額負担するなど中国側の言い分をすべて呑んだ。8000万円余り損をしたが、手切れ金と思うしかない。中国ビジネスは『行きはよいよい、帰りは怖い』ですよ」と悔しさをにじませます。
 退くも地獄、残るも地獄。中国に進出した企業トップの胸中には、こんな思いがよぎるのではないのではないでしょうか。
 


中国「巨大市場」は幻想
     海外資本が続々撤退、日本企業も見切り。  宮崎正弘


 中国経済はシャドーバンキングの破綻、不動産価格暴落に加えて外国企業の撤退ラッシュが続いている。「巨大市場」は幻想だったのだ。
 人件費が安いと誘われて中国へ進出したまでは良いが、「こんな筈ではなかった」と最初に悲鳴を上げたのは台湾企業だった。
 80年代に日本ヘビジネスに来ていた台湾実業家らを「ビザは要らないし、パスポートに中国へ行った証拠は残らないから」と巧妙に誘い、小さな町工場や雑貨、衣腰関係の経営者らが実際に行くと、土地が予想以上に安く提供されるなど有利な条件がいくつも示され、どっと出ていった。
 進出して5年間は免税特典があるなどといわれて工場を建てると、「水道工事協力費」「電気配線協力費」などと別の税金が課せられ、労働者は共産党の斡旋だからまじめに働かない。そのうえ、夜中には倉庫から出来たばかりの製品をごつそり盗み出し、市場へ横流しするなどの被害が続出した。商道徳が存在しないことが分かった。
 そのうちに台湾人経営者が誘拐され、身代金を払わないと人質が殺されるという凶悪事件が頻発し、100人前後の犠牲者が出た。またゴルフ帰りの強盗、脅迫事件も相次ぎ、すっかりやる気を削がれた。
 愛人につられて合弁形式として資本金を払い込んだら、相棒が印鑑を偽造し全額詐取されるという被害も出た。日本企業は「これは台湾企業だけ、日本は関係ない」と高をくくつていた。


◇2300億投じ稼働せず

 訴えても当局は相手にしない。そこで天安門広場で割腹自決を試みた台湾人経営者は例外的に半分返却があったが、およそ2万8000件のクレームに対して、受理は僅か15件(台湾企業のみの数字)。あきれ果てた台湾企業は液晶パネル、スマホ部品などの大企業を残して一斉に引き上げた。
 この間、韓国企業の夜逃げが目立ち、青島、威海衛、煙台あたりから韓国の零細中小企業が家賃、人件費不払いのまま逃げを打った。
 実はこのような事態は90年代から起きており、私は著作で警告してきたが、多くの日本人には伝わらなかった。主要メディアは相変わらず「中国経済は成長し続け、繁栄は約束されている」などと書いていた。
 また、日本企業は体質的に外面を繕うため失敗を明らかにしない。大企業は失策を隠す傾向が強く、責任の所在が曖昧である。結局、誰もが中国進出の責任を回避する。
 典型例は王子製紙だろう。同社は江蘇省南通に2300億円を投じて洋紙一貫工場を造成したが、地方政府や補償金を取ろうという漁民らの反対にあって、進出を決めてから14年、まだ本格稼働しないばかりか絶望的状況だ


◇欧米企業も海賊版に嫌気

 欧米企業も続々と中国から撤退している。
 HP(ヒユーレット・パッカード)、J&J(ジョンソン&ジョンソン)、Bスクエア、IBMなどは世界的規模で大幅な人員整理に踏み切り、とりわけ中国の拠点を縮小するとした。
 在北京米商工会議所の統計では、29%の中国進出の米国企業が売り上げ激減に見舞われ、業務の縮小を検討していることが分かった。世界最大の人材派遣企業「マンパワー」の調べによれば、中国での外国企業の求人は25%の落ち込みを示した。いずれも主因に賃金の高騰による経営不振を挙げた。本音は知財、とりわけ商標を守らない海賊版、偽造部品の横行に嫌気がさしたからである。
 防空識別圏ばかりではない、中国の身勝手な論理は外国企業排斥のために、こんどは「独占禁止法」違反を乱発しはじめた。
 米国通信ハイテク企業のクアルコムは、売り上げの半分を中国で稼ぎ出してきた。昨年11月26日、中国当局は「独占禁止法」の疑いで同社を捜査していると発表した。
 中国の重厚長大ならびに通信などハイテク分野は国有企業。あるいは私企業を装った国有企業(たとえばレノボ、華為技術など)。それらを差し置いて外国企業に独占禁止法を適用するなど、動機が不明瞭である。


◇ハイテク技術盗み終え

 先般、英国の製薬会社グラクソ・スミスクラインがこの容疑で当局から捜査され、さらに米国のコンピューター関連会社シスコシステムズも捜査の対象となった。
 現象的にみるとHP、IBM、シスコ社などそうそうたる米国企業が中国市場での販売額を激減させている半面、「スパイ企業」と米国から言われる華為技術など中国メーカーの製品が市場で躍進している。
 IBMは実に22%の減収を示した。HPも「これまでの中国での市場とまったく様変わりした」と直近の市場状況を語っている。これらの背景にあるのは、華為技術、中国通訊(ZTE)など中国の国内産業の技術力の向上と、販売力の躍進である。パナソニックが用済みになって追い出されたように、あるいはトヨタもまもなく御用済みとなって市場から追われるだろうが、そろそろ中国にとっては、ハイテク技術をほぼ盗み終え、これ以上、中国に居続けてもらっては邪魔なのである。
 海賊版に悩まされ、特許裁判は中国の常勝であり、著作権は支払うと言っても実際には振り込みがない。そのうちにキャタピラー社と同質のブルドーザーやスマートフォンなど、中国企業が独自で製造できるようになり、嘗ての反日暴動におけるパナソニック、イオン放火事件のように「用済み」になれば追い出し活動が始まるのである。
 予兆ありとみたか、IBMはサーバー事業部門を高値でレノボに売り逃げすることに成功した。日本企業もこの手があることをお忘れなく。


◇商船三井事件で撤退加速

 こうして日本企業の多くが中国からの撤退を開始し、東南アジアなどへシフトしている。さらに撤退が加速するだろうとの予測は、今年4月20日に起きた「商船三井事件」 であろう。
 戦後賠償は日中共同声明で解決済みである。しかし中国側は戦前の補償を求める個別民間人の訴訟を黙認しており、なんと戦前の用船契約が未払いだとして、それを継続したとみなされる三井商船の船舶を漸江省の港で差し押さえるという暴挙を演じたのである。
 1972(昭和47)年9月の「日中共同声明」は「中国政府は日本国に対する戦争賠償の請求を放棄する」と明言しているにもかかわらずだ。つまり約束事はある日、突然に中国共産党の気持ち次第で反古になる。


◇中国不動産王も海外へ

 欧米の金融機関は中国の銀行株をすでに売り逃げしており、お膝元香港の不動産王らも逃げ腰の態勢である。現に香港財閥第1位の李嘉誠は中国国内にもっていた複合ビルなどあらかたの物件を売却している。
 中国国内の不動産王すら中国投資から海外ヘシフトさせている。国内市場に見切りをつけたからだ。中国最大の不動産デベロッパーの万科集団(英語名VANKE)は、すでに欧米各地に豪華マンションを建てた。
 有力な「SOHOチャイナ」はニューヨークの豪華物件を購入したが、なかにはブラッド・ピットやレオナルド・デカプリオが入居する物件も含まれる。
 中国財閥第1位の大連万達集団は不動産から娯楽産業へのシフトを図り、全米最大のチェーンを買収した。そのうえ本場ハリウッドに乗り込んで映画製件に乗り出すと表明し、青島に巨大なスタジオを建設して中国最大の「映画村」とする。
 中国人は機を見るに敏である。中国国家ファンド(CIC)がダミーのファンドをシドニーに設立し、盛んに日本企業の株式を買ってきたが、最近ほぼ売却したことが分かった。中国の国有銀行が不良債権の爆発に備え、預金準備率を引き上げりる必要があり、そのためには、なりふり構わず海外資産の取り崩しをしていると考えたほうが理にかなう。
 かくして中国への企業進出ブームは終わりを告げることとなったのである。



太子党の素顔は、われこそは毛沢東親衛隊


 石平氏は[「無条件従属」と「命奪う権限集中」明確に求めた「習近平」…蘇る個人独裁と恐怖政治の亡霊]で、「習氏は明らかに、ケ小平以来の集団的指導体制の伝統を破って、自分自身の絶対的な政治権威の樹立と毛沢東流の個人独裁の復活を図ろうとしている。」と述べている。
 では何故、太子党である習氏はケ小平を捨て、毛沢東時代の恐怖政治を理想としているのだろうか。それは太子党を知ることで理解できるのです。いろいろな資料を読みましたが、[狂暴国家 中国の正体 P133〜136「老紅衛兵で構成される習近平体制」]が一番当を得ているようなのでこれを抜粋して、紹介致します。是非原文の一読をお願い致します。読まれるとよく分かるのですが、ISILの狂暴な体質と習政権・太子党の邪悪な体質が酷似していることがご理解頂けるでしょう。だから、中国とISILと北朝鮮は裏で手を組んでいる可能性が大きいと思います。
 習近平体制が横柄で強圧的な政治的手法を行使するのは、文化大革命時代の歴史を引きずっていることも一因でしょう。彼らには、従来の中国の指導部にはなかった、いくつかの特徴が備わっています。
 第一に、習近平をはじめ現執行部の履歴を分析してみると、ほぼ全員がかつての「老紅衛兵」であることがわかります。文化大革命時代の紅衛兵はご存じの方も多いと思いますが、やや遅れて現れた「造反派紅衛兵」と異なり、高級幹部の子弟からなるグループを「老紅衛兵」と表現します。一九六六年に毛沢東が「共産党内にいて、資本主義の道を歩む者」を一掃するために文化大革命を発動した際に、高級幹部の子弟らはいち早く立ち上がりました。自宅で政府の機密文書を読む機会に恵まれ、毛沢東の意思を理解していたからです。
 老紅衛兵たちは、一九六六年夏に「恐怖の八月行動」を起こして、中国全土の文化財を破壊し、殺人と放火を働いたことでその名を轟かせています。山東省にある孔子の墓を掘り起こしたのも彼らであり、法治を無視して秩序を破壊した過去が、彼らの青春時代の「実績」です。
 老紅衛兵が暴力を思う存分に発揮できたのは、彼らが「自来紅」すなわち「生まれながらの共産党エリート」であり、特権階級であることを自任していたからです。後に文化大革命が否定されたときに、「自来紅」であることは彼らの免罪符となり、代わりに庶民の子弟からなる造反派紅衛兵がスケープゴートにされました。そして、造反派紅衛兵は弾圧されて二度と政治の表舞台に立てませんでしたが、老紅衛兵は出世して、「太子党」を形成します。
 二つ目に挙げられるのは、太子党はかつて下放された苦い経験を共有しているということです。毛沢東による政敵粛清が共産党の高級幹部層にまで及んで、その子弟も農村へ追いやられたのです。下放先で彼らが目にしたのは、人民の前近代的な暮らしと都市部との格差でした。また、先進国への留学経験がある彼らは、中国と世界との違いについても把握しています。その格差を是正しなければならないとの認識も、彼らの脳裏には刻まれているのです。
 第三に、「自来紅」から見れば、江沢民や胡錦涛も父祖の「臣下」にすぎず、自分たちが成長するまでの「後見人」でしかありません。太子党は自分たちを父祖の「老臣」に付属する派閥メンバーだとは思っていないのです。権力を父祖から受け継ぎ、自分たちが父祖の建てた国家の統治システムを盤石にするのは当然の責務だと自負しているので、国家主義的思想が強いのです。
 第四に、彼らは「革命的中華思想」の信者であることが挙げられます。文化大革命中に中国は「世界革命の中心」を自任し、「全世界の労働者人民をアメリカ帝国主義とソ連社会帝国主義の抑圧から扱おう」として、積極的に諸外国に向けて「革命思想を輸出」しました。「革命の輸出」を進めた経験から、彼らは「中華民族の利益を守るために、他国の内政に関与しよう」とも主張しています(『環球時報』二〇一三年一月四日社説)。強硬な外交を推進して「中華民族の偉大な復興」を実現させようとする手法も、古い中華思想に「革命の衣」を着せた「毛沢東思想の焼き直し」と見て取れます。
 こうした特徴を有するのが、現在の中国の「老紅衛兵指導部」なのです。強烈なエリート意識によって容易には動じない精神力を持つ彼らとの間で、尖閣諸島問題を抱える日本も、強靭な意志をもって対応することが求められているのです。
 ■石平:「無条件従属」と「命奪う権限集中」明確に求めた「習近平」。2015/02/05
 先月13日、習国家主席は党の規律検査委員会で「重要講話」を行った。その中で「政治ルール」の重要性を強調し全党員に対し「ルールの厳守」を呼びかけた。それは、今の中国共産党の党員幹部に対し、かつて毛沢東の命令に無条件に従ったのと同じように、習総書記に対しても無条件に従うことを要求したのだ。
 三十数年前、中国共産党はケ小平の主導下で、毛沢東の個人独裁に対する反省から改革・開放の道を歩み始めた。しかし、習氏は明らかに、ケ小平以来の集団的指導体制の伝統を破って、自分自身の絶対的な政治権威の樹立と毛沢東流の個人独裁の復活を図ろうとしている。
 もう一つ、「人の命を奪う権力・権限を、司法では無く、共産党という一政党によって握っておくべきだ」と、毛沢東流政治の復活を公言してはばからなかった。
 このようにして、今の習総書記は、自分自身に対する無条件な服従を「全党全軍」に求める一方、国民の命を恣意的に奪う権限をも手に入れたいのである。毛沢東が死去してから39年、中国人民に多大な災いをもたらした個人独裁と恐怖政治の亡霊は再び、中国の大地で蘇ろうとしている。共産党内の改革派や「開明派」の反応は未知数だが、このままでは、この国の未来は真っ暗である。
 ■漢民族はマルクスの申し子…[狂暴国家 中国の正体 P160〜]
 なぜ、中国が植民地を弾圧するのか、それは共産主義の導入が「中華思想=華夷思想」をより強固にしたからだと推察できます。中国人すなわち漢民族だけが優れていて周りはすべて野蛮な民族と見倣し、周囲を「南蛮北秋東夷西戎」と呼んで蔑み、漢民族に従うのは当然だと考える。これが華夷思想です。ちなみに日本は東夷に含まれます。
 では、華夷思想が共産主義思想と合体してなぜエスカレートしたのか。それはマルクスの共産主義思想は、基本的に「発展段階論」だからです。人類は「原始社会」に始まり、「奴隷社会」を経過して「封建社会」になる。それから「資本主義社会」になつて、最終的には理想世界たる「共産主義社会」が成立するという考え方が発展段階論です。実際には、そのような経過をたどった人間社会は歴史上どこにもなく、マルクス=エンゲルスの迷妄にすぎないのですが、この理論は中国人を大いに喜ばせました。つまり、雲南の少数民族や、満洲の森の中で暮らしているツングース系の少数民族は原始社会に相当し、その次に「遅れたチベットは奴隷社会」で、モンゴルやウイグルは封建社会、そして自分たちは現在、資本主義社会にいる。もっとも先進的な自分たちが、それらの民族の上に立たねばならない。このように解釈することで、マルクスの発展段階論と中華思想はピタリと一致したのです。
 中国人は、チベット人は奴隷社会で、封建的な奴隷主に虐げられているのだから、「ダライ・ラマの集団」をインドへ追い払って一般大衆を「解放」したと標模します。また、森の中に住むツングース系狩猟採集民に移住を強制し、定住させることで「原始社会から一気に共産主義に引き上げた」と誇らしげに言います。「われわれ漢民族が彼らを教育して解放しなければならない」というのが、中国の民族政策の基本的な理論です。中国人はそこから飛躍して、だから少数民族に対して何をしても自分たちは正しい、と思いこんでいるのです。だからこそ、ベトナムを「懲罰する」という不遜な発想も一九七九年には生まれているのです。
 中国の場合、華夷思想が前提にあることを踏まえれば、中国人こと「漢民族」がもっとも優れた民族であると考えていた人たちにとって、マルクスの発展段階論を受け入れたときには方便だったものが、今度は理論的にも諸民族には自決権を与える必要がないという根拠となつたのです。次第に華夷思想と一体化していき、共産主義でありながら異質なものを形づくつていった。
 逆に言えば、ロシア人には華夷思想がなかったから、ソ連邦の憲法に諸民族の自決権を認めると書けたのです。一方、中国の憲法には「諸民族は古くからわが国の領土に住んできた」と一方的に書かれ、民族の自決権が否定されている。そこが同じ共産主義国でありながらも、ソ連と中国の違いなのです。そして、中国の場合、一度併合されたら、いくら暴力を振るわれても我慢するしかないのです。
 中国の異文化に対する非寛容さは、いろいろな場面で垣間見られます。
 世界遺産にも登録されている北京の紫禁城は、満洲人の清朝皇帝がおよそ三〇〇年にわたって暮らし、大清帝国を運営してきた場所です。かつてはあらゆる宮門には、満洲文字とチベット文字、そして漢字で書かれた額縁が掲げられていました。さまざまな民族を同時に統治した、多言語国家を誇示する文化的装置でした。
 ところが、ここ数年で、満洲文字とチベット文字が次第に排除され、漢字の額縁だけが宮門を飾るようになっています。また、いっときスターバックスが故宮博物院に出店していましたが、「西洋文化の侵略だ」と「人民」に叩かれて、ついには撤退を余儀なくされたというのも有名な話です。だから、中国は易姓革命が起こる度に、前王朝の文化は抹殺され、歴史の蓄積の存在しない民族なのです。
 中国とロシアはともに大国であり、そこに住む人々はいずれも共産主義を体験した人々のはず。異文化と国際社会に対する寛容さの差異は、やはり華夷思想の有無に根差すのでしょう。
 ■共産主義と華夷思想が合体した「悪魔の思想」[狂暴国家 中国の正体 P165〜]
 中国の場合はエンゲルスの理論をさらに分かりやすく、というよりも自分たちに都合よく解釈しました。東北部の満洲の森林地帯に暮らすツングース系あるいは雲南省や貴州省の少数民族は、外の世界を何も知らない原始社会であり、それより多少進歩したチベットは奴隷社会、もう少しマシなウイグルとモンゴルは封建社会であり、最も文明化した中国がそれらの人々を共産主義の理想社会に導くのだから、言うことを聞かない人々には制裁を加えても、善行を行っているのだから当然という意識で、ロシア人以上に覇権主義的、権威主義的に振る舞いました。
 共産主義思想と中国人の華夷思想が合体すると、これは悪魔のような思想になるわけです。もともと華夷思想という問題のある考え方を持った人たちが、近代に入ってからマルクス主義という武器を得たことは、人類最大の不幸です。
 日本人は中国よりも先にマルクス主義、共産主義の思想に触れていましたが、華夷思想のようなものを持たなかったので中国人のような暴徒にはなりませんでした。日本では純粋に学説・理論として信じている人がほとんどで、共産党にしろ社民党にしろ、多少、騒ぎはしても中国のように暴徒化はしないのですからかわいいものです。
 ■中国こそ軍拡主義ファシスト国家である
 中国人の認識における「世界秩序」は国際法に基づくものではなく、あくまで「中国がすべての中心」という「華夷秩序」が彼らの″世界秩序である。
 彼らが示す「地域秩序は中国が決めるもの」という態度も、すべては軍事の発想である。軍事力による地域覇権の確立が、習政権の言う「愛国主義による中華民族の復興が中国の夢」に繋がる。そのために習は軍に対して「いつでも戦争ができる準備をせよ」と下命するのだ。
 とにかく、中国の凄まじい軍拡ぶりを目撃すると、まさに中国こそが軍国主義ファシスト国家である。軍事的覇権を求める野心を剥き出しにしている。だからこそ、ASEAN諸国や中国周辺諸国は、日米印豪に組みすることでバランスを取ろうとしているのである。
 しかし過去四半世紀、毎年二桁増という狂気の中国の軍拡は、旧ソ連型のように、いずれ負担の重みに耐えられなくなるという破滅に向かって暴走していると見たほうがよい。
 ソ連は軍事費の重みに耐えられず自滅した。連鎖で東ドイツが消え、ルーマ二アの独裁者は粛正され、東欧はまたたくまにソ連圏を離れて主権を回復した。この同じ基軸を中国の近未来に当てはめると、チベット、ウイグル、南モンゴルは独立し、東北三省(旧満洲)、華北、華中、華南は中国国内において分離することになる可能性も考えられる。その恐怖を抱くのは、中国共産党の上層部に共通する認識である。それゆえ内戦勃発のシナリオに対応するための軍事力準備を怠らず、中国人民解放軍の軍費、装備費、兵端などを重視している。
 ■産経:崩壊ソ連の二の舞い恐れる習近平。2015/02/10
 習近平氏は2012年、「ソ連はなぜ解体したのか、ソ連共産党はなぜ崩壊したのか」と問い、「重要な原因の一つは理想や信念が揺らいだからだ」と述べている。
 習近平は2013年、「政権の崩壊は往々にして思想の分野から始まる。政治の動揺や政権の交代は一夜にして起こるかもしれないが、思想の変化は長期の過程である。思想の防衛線が破られると、他の防衛線を守ることは非常に難しくなる。我々はイデオロギー工作の指導権、管理権、発言権をしっかりと掌握しなければならない。いかなるときでも手放してはならない。さもなければ、取り返しのつかない歴史的な誤りを犯すことになる」と強調している。

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